Uネック、Vネックにタートルネック…。「“○○ネック”と付くインナーが多すぎて、何を選べばいいのかがわからない」という声を耳にすることも少なくない。首元が詰まって見えたり、アウターのテイストと合わなかったりなど、それぞれの型を身に付けたときの印象や効果をきちんと理解していないと、服選び自体を失敗する原因にもなりかねない。そこで今回は、メンズインナーの適切な選び方について解説していく。
【写真】種類が多すぎる「○○ネック」インナー、どんな形? 6種類を紹介■格好良く着こなせる体型は? クルーネック・Vネック・Uネック・ヘンリーネックの違い
【クルーネック】
「クルーネック」とは、首元のラインが丸首型を描いているトップスのこと。船の乗組員(クルー)が着ていた丸首セーターが由来となっている。カジュアルで柔らかい印象を与え、着回し力が抜群な点が大きな魅力の1つ。日本に流通するTシャツの多くがクルーネックタイプであり、ラフに着こなすだけではなく、色や組み合わせ方などによって上品かつ大人っぽい雰囲気もかもし出せる万能アイテムと言える。
クルーネックは首元が詰まって見えて、肩幅や胸まわりが強調されるため、やや華奢で、首が細く、肩幅があまり広くない体型の方にオススメ。また、面長な顔の方も似合いやすい。がっちり体型の方の場合は、肩にある袖付け部分が肩よりも少し下に位置しているドロップショルダーデザインのものを選ぶと、肩幅が強調されずに窮屈さを与えにくい上に、現代的なシルエットも無理なく表現できるだろう。
クルーネックは、ネックラインのリブ幅の太さも与える印象に影響してくる。太いとカジュアル、細いと上品に見えるので、自分が見せたい姿によってリブ幅を変えてみるのもいいかもしれない。
【Vネック】
「Vネック」とは、襟がV字型に開いているネックタイプのこと。クルーネックよりもシャープであるため、ダンディーでクリーンな印象を与えることができる。そもそもはレディース用に作られているため、セクシーさも引き立たせやすい。ただ、V字の開きの深さによって与える印象は大きく変わり、広く開きすぎていると露出の多さが目立ってしまうため注意が必要だ。
Vネックは縦方向に入ったネックの切り込みで縦のラインが強調されてシャープな印象を与えるため、丸顔や短い首、がっしりした上半身をバランス良く見せてくれるのが特徴。華奢な体型の方が着ると、骨っぽさや縦のラインが強調され、より華奢さが目立ってしまうので、できるだけV字の開きが浅いものを選ぶようにしてほしい。
【Uネック】
「Uネック」とは、クルーネックよりも深い形状を持ち、開きがU字型に見えるネックタイプのこと。クルーネックの形状とVネックの襟ぐりの深さを兼ね備えたデザインと言える。ネックラインの開きが深いため、マイルドさを演出してくれるのが特徴。クルーネックやVネックよりも中性的かつリラックスした印象を与え、首元が開いていることで首を長く見せて小顔効果も期待できる。
また、Vネック同様、首元の開きの深さによって与える印象が大きく変わる。U字の開きが大きいと首回りの露出幅も大きくなり、下品に見えてしまう可能性もあるので注意が必要。日本製と海外製では同じサイズでも開き具合が異なるケースがあるので、購入前にきちんとチェックしておくべきだろう。
UネックはクルーネックとVネックの中間タイプと思われがちだが、似合う体型は2つとは異なる。角張った顔立ちで、あまり首が長くなく、肩幅のやや広い体型の方にオススメだ。
【ヘンリーネック】
「ヘンリーネック」とは、首元にボタンがついているタイプのトップスのこと。Tシャツの1つでありながらデザイン性がとても高く、1枚でも格好良く着こなせるのが魅力と言える。クルーネックやVネック、Uネックほどラインナップは多くないものの、カジュアルなものからドレッシーなものまで幅広く展開されている。
■首の長さや太さで選ぶのがポイント!タートル・ハイ・ボトル・モックのオススメの活用法
【タートルネック】
「タートルネック」の由来は、亀(タートル)が甲羅から首を出している様子に似ていること。基本的には、首に沿って伸びた襟を中間あたりで折り返したりクシュッとさせたりして着ることが多い。首元を折り返すことで空気が入りにくくなり、暖かく着ることができるため、冬場にタートルニットなどはとても人気が高い。
タートルネックを選ぶ際には、首が細く長めの方はフィット感があって首と襟の隙間が少ないものがオススメ。襟をクシュッとたるませたり折り返したりして着ることで、細く長い首をカバーできる。首が太く長めの方は高さのある厚手でゆったりとしたものがオススメ。襟にボリュームが出てがっちりとした印象を和らげる効果がある。高さによって長い首を目立たなくさせることもできるだろう。
【ハイネック】
「ハイネック」は、ネック部分を折り返すタートルネックとは違い、首に沿った襟を折り返さずに着用する。ネック部分を折り返さなくても首が完全に見えない状態になるのが特徴と言える。ハイネックは首が太く短めの方にオススメ。厚手でゆとりのあるハイネックであればしっかりと襟元が立つので、首をより細く見せてくれる効果が期待できる。薄手のハイネックの場合は、襟をクシュッとたるませると首周りをカバーできる。
【ボトルネック】
「ボトルネック」とは、瓶(ボトル)の口のように首に沿って折り返さずに細く立ち上がった形の襟のこと。ハイネックとボトルネックは仕様に大きな違いはないものの、ボトルネックのほうが首が少し見えるため、ハイネックよりもすっきりとした印象になりやすいのが特徴である。ボトルネックは首が細く短めの方にオススメ。襟がクルーネックから立ち上がるようなデザインになっていることで首の始まりが実際の位置よりも下に見えるため、首の長さを作り出すことができる。
【モックネック】
「モックネック」は、モックタートルとも言われ、タートルネックよりも高さの低いネックラインのこと。mock(モック)には「疑似」「まがいの」といった意味があり、タートルネックのように折り返さないのが特徴である。ハイネックにも似ているが、ネックラインはモックネックのほうが高くなっている。カジュアルなゴルフウェアとしてもよく見かけるが、ジャケットなどのビジネスシーンで使うアイテムとも相性がいい。
“○○ネック”と付くインナーはたくさん存在する。着こなし方などによって、与える印象も大きくかわってくる。自分の体型や首の長さ、太さ、着用シーンにマッチしたアイテムを選ぶことが重要になる。
監修者 青山商事株式会社
「洋服の青山」「SUIT SQUARE」「UNIVERSAL LANGUAGE」など、数々のビジネスウェア 事業を展開。スーツや靴、カジュアルなどのメンズアイテムをはじめレディスのスーツやフォーマルまで、多様なウェアを展開している。