産学の有識者でつくる「令和国民会議」(令和臨調)は30日、先進国で最悪の状況にある日本の財政に関して、長期予測を行う独立財政機関の早期創設を提言した。「金利のある世界」の復活などで財政健全化の必要性が高まっており、与野党に今国会での設置法成立を求めた。
記者会見した財政・社会保障部会の平野信行共同座長(三菱UFJ銀行特別顧問)は、デフレ脱却や少子高齢化、自然災害などの課題に対応するために「中立的な財政機関がこれまでにも増して重要だ」と訴えた。経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国の約8割で、既に同様の機関が設置されているという。
令和臨調が創設を求めた「長期財政推計委員会(仮称)」は国会内に設置し、今後30年程度の展望を示す。立憲民主、国民民主など主要野党の一部は独立財政機関の創設を支持しており、少数与党下で幅広い合意形成を働き掛ける考えだ。