武田薬品工業は30日、クリストフ・ウェバー社長CEO(最高経営責任者)が来年6月に開催する定時株主総会で退任し、後任に米国事業を率いるジュリー・キム氏が昇格すると発表した。フランス人のウェバー氏は2014年6月に同社で初めて外国人として社長に就任。来年で在任期間が12年となり、経営改革にも一定のめどが立ったと判断した。キム氏は米国人で、2代続けて外国人がトップに就く。
ウェバー氏は19年、日本企業による海外企業のM&A(合併・買収)として最高額となる約6兆2000億円でアイルランド製薬大手シャイアーを買収。武田をメガファーマ(巨大製薬企業)の一角に押し上げた。一方で21年には大衆薬子会社の武田コンシューマーヘルスケア(現アリナミン製薬)を売却するなど、医療用医薬品に経営資源を集中させてきた。
キム氏はシャイアー出身で、同社買収に伴い武田に入社。豊富な国際経験を買われ米国事業を任されてきた。