京アニ事件　青葉死刑囚の控訴取り下げは「無効」　弁護人が申し立て

　36人が犠牲になった2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、自ら控訴を取り下げて1審の死刑判決が確定した青葉真司死刑囚（46）の弁護人が、取り下げを無効とするよう大阪高裁に申し立てたことが明らかになった。高裁は今後、申し立ての取り扱いを検討する。

　1審・京都地裁判決（24年1月）によると、死刑囚は19年7月18日、京アニ第1スタジオ（京都市伏見区）にガソリンをまいて火を放ち、社員ら36人を殺害、32人に重軽傷を負わせた。平成以降で最多の犠牲者を出した放火殺人事件となった。

　控訴審でも責任能力が争われる見通しになっていたが、死刑囚本人が27日付で控訴を取り下げ、死刑が確定。これに対し、死刑囚の弁護人が取り下げの効力を争う書面を提出。高裁が30日付で受理したという。

　死刑回避を目指す弁護側としては、控訴取り下げの結果や裁判を受ける権利について死刑囚本人が正確に理解していたかについて、無効申し立てにより訴えていくとみられる。【木島諒子】