※写真はイメージです
◆「情報I」の学習内容をチェック
2025年度、大学入学共通テストの2日目の試験が1月19日、全国の651会場でおこなわれ、今回「情報I」が初めて実施されました。試験は4つの大問で構成され、試験時間は60分でした。
吉田:今回、初めて実施された「情報I」ではどんなことを学ぶのでしょうか? 塚越さんにお聞きします。
塚越:情報という科目ですが、情報社会の基礎知識を学ぶだけでなく、データ活用や分析、論理的な思考を養うもので、4つの分野を学びます。
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最後の4つ目は、情報通信ネットワークの仕組みを学んで、データ収集や分析技術を学ぶことです。このように、情報社会の基礎的な知識と、それにとどまらない技術的な点も学ぶということですね。
◆「情報I」のテスト問題を紹介
吉田:そんな「情報I」の共通テストでは、どんな問題が出題されたのですか?
塚越:問題は4つの大問から構成されていまして、問題文が比較的長いです。具体的な問題だと、たとえば文化祭に向けて工芸品を作るので、その担当者を割り当てるためのプログラムに関する問題がありました。あるいは、高校生が職業体験でスーパーマーケットを訪問した設定で、スーパーのレシートに表示された情報を問う問題などです。
特に、レシートに記載されている数字が何を意味しているかが問われたりします。「ポイント会員情報」と「レシートデータの組み合わせから得られない情報」を判断せよ、といった問題もありました。たとえば、会員登録のポイント情報があるとその人の年齢が分かります。あとは、レシートから特定の年齢層の人が来店する時間帯が分析できます。こういうことはわかるのですが、商品を購入した理由は判断できないので4択から選びます。
問題を通して、情報セキュリティを学ぶことにも繋がっています。全体的には受験生に身近な問題ですが、問題を見ると文字数も多くて、設定が細かいんですね。長文読解だったり、図表の分析も必要で、プログラミングの知識がないと難しいです。IT知識だけでなく、論理的に考える力が必要です。大人がやっても難しいということですが、お2人も挑戦されたんですよね?
ユージ:問題のページがいくつかあって、レシートの問題を吉田さんとやったら、正解しました! 僕らはこの1問を集中して正解しましたが、これが他にも問題があって、制限時間のなかでやるとなると頭が混乱するなと思いました。
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◆来年以降の「情報I」は難しくなる?
吉田:共通テストの問題や配点について、塚越さんはどう見ましたか?
塚越:私もけっこう大変だったなと思いましたが、朝日新聞によると受験生からは「簡単すぎ」といった声を報じられていますね。読売新聞も、基礎的な問題に受験生が安堵したといった内容を報じています。今の学校現場で、みなさんいろいろ学んでいるなと思いますし、高校の教員からは「初年度なので生徒に配慮したかも」という声もあります。総合すると、内容的にはやや簡単、真面目に勉強していれば問題ないレベルだったということです。
ただ、情報の配点は100点満点ですが、導入初年度ということもあって、合否の判定に関して、配点比率を他の教科よりも低くする国公立も多くあるということです。簡単にいえば、点数を多くとれても、他の教科を含めた全体のなかでの情報の得点比率は低くなるとのことです。平均点の中間集計で「情報I」は73.10点と、高い水準でした。みなさんの得点がいいので、来年以降はもう少し内容が難しくなると思われます。
◆科目が増えると目指したい将来も増える
ユージ:AIの活用も進む今、情報を学ぶ理由は何でしょうか?
塚越:情報化社会なので、基礎的な知識、プログラミングやアルゴリズムとは何かといったことに答えられないといけません。
ユージ:プログラミングができるだけじゃなくて、何なのかを答えられないといけないんですね。
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私も世界史に触れてから、面白いなと思想に興味をもって、大学院はフランス思想に進みました。教科で学ぶことによって、新しい興味のある分野に進む方も増える思います。なかなか面白い分野ですし、みなさんも興味があれば「情報I」の共通テストを調べてやってみてください。
(左から)吉田明世、塚越健司さん、ユージ
<番組概要>
番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月曜〜金曜6:00〜9:00
パーソナリティ:ユージ、吉田明世
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/one/
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