「女性専用車両が遅延の原因」決めつけ画像が炎上大荒れ、呆れた“痴漢チャンスデー”の実態

0

2025年02月01日 09:00  週刊女性PRIME

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

週刊女性PRIME

※写真はイメージです

 1月26日、1台の電車がホームに停まっている写真がSNSにアップされ、物議をかもしている。

人が並んでいる車両の隣は“ガラガラ”

 投稿されたのは、駅のホームで撮影されたと見られる1枚の写真。2つの車両に人が乗ろうとしているのだが、その2つの車両に明らかに違いがあるのだ。

「ホーム上に人が並んでいて、いままさに順番に乗り込もうとしている写真なのですが、人が並んでいるのは左の車両だけで、右の車両は一人も並んでいないのです。よく見ると右の車両の窓には、女性専用車両を示すピンク色のステッカーが。女性専用車両はガラガラで、そのせいで普通車両に人が集中して出発に時間がかかっているように見えます。

 その写真に《女性専用車両がいかに集中混雑と遅延によるダイヤの足かせになるかがよくわかる一枚》といったコメントが添えられているので、SNSにさまざまな声が寄せられ、炎上しているんです」(スポーツ紙記者)

 X上で6000万インプレッションを超えて拡散され、ネット上にはこんなコメントが溢れている。

《前からわかってたけど、あの車両があるから電車遅れる、まじくそ》
《男尊女卑ならぬ、女尊男卑。遅延拡大の最大の原因》
《なら男性専用車両も作ってよ》
《ふだんは差別差別とうるさいくせに、こういうときは女性差別って言わないんだよな、女性って》

 女性専用車両が設定されているのは多くの場合、朝の通勤通学時間帯。ただでさえ急いでいるのに女性専用車両がガラガラで隣の車両が混雑していると、「あの車両が悪い」とつい考えてしまうのだろう。

 そういう意見に対して、“そもそも論”で応戦する人も。

《そもそも痴漢をする馬鹿がいなくなれば女性車両は必要ない》
《女専を作らなくていいように、痴漢は出禁にしてマイクロチップを埋め込んでほしい》
《まともな男しかいないなら女性専用車両なんていらないよ》

 さまざまな意見が衝突し、“大荒れ”状態なのだ。

女性専用車両が原因の遅延は聞いたことがない

 投稿主が指摘するように、女性専用車両を設けることで「電車の遅延やダイヤの乱れ」など、多くの乗車客に影響を及ぼしているのだろうか。現場経験のある鉄道関係者に話を聞いた。

「女性専用車両の設置が電車の遅延に影響するという事実はないと思います。電車の遅延は人身事故や、降雪、大雨などの悪天候による輸送障害が生じたときに起こるという認識で、少なくとも私自身は女性専用車両が原因で遅延が発生したケースは見たことがありませんし、苦情も聞いたことがありません」(鉄道関係者、以下同)

 では、日常的に起こっている遅延の原因はなんなのか。

「1分〜3分ほどの短時間の遅延は天候や気温が作用することがほとんどです。雨の日は、傘がかさばり電車の乗り降りに時間がかかったり、冬場で気温が下がると厚着になるので車両内が窮屈になり、ドアがなかなか閉められず遅延の原因になったりします」

 これらは、女性専用車両かどうかは関係ないので女性専用車両自体が遅延を招いているとは言えないのだという。

「それに、何らかの原因でダイヤに乱れが生じたときには、駅構内でもアナウンスをしていますが、女性専用車両を設けている時間帯であっても解除して、すべてのお客さまにご乗車いただけるよう柔軟に対応をしています」

 今回投稿された写真のように、女性専用車両を設置している前後の車両が混雑する可能性はあるというが、多くの鉄道会社が対策を講じているはずと、関係者は続ける。

「女性専用車両をどの号車に設けるかは、路線ごとに考慮して決定しています。どの車両に混雑が起きやすいかは、鉄道会社各社が把握しているので、例えば先頭車両が混みやすいなら女性専用車両は最後部に設定しようといった対策をしているはずです」

「“痴漢チャンスデー”だから狙い目」

 また、炎上コメントのなかにはこんな意見も。

《痴漢チャンスデーとか馬鹿なこと言うやつがいるからやっぱり女性専用車両は必要》

 痴漢チャンスデーとはいったいなんなのか。

「そもそも女性専用車両は卑劣な痴漢行為から女性を守ることを目的に2000年前半ごろから導入されはじめたものですが、今回の投稿がいま炎上している背景には本番を迎えた受験シーズンが関係しているのかもしれません」(前出・スポーツ紙記者、以下同)

 大学や高校の受験シーズンはこれからが本番。そんな受験生たちの“テストに絶対に遅刻できない”という心理につけこんだ痴漢行為が、この時期には横行しやすいと言われているのだ。

「数年前から受験シーズンになると、SNSに《今日は共テ(共通テスト)だから女子高生狙い目》や《痴漢チャンスデーって別に悪いイベントじゃねーよな笑》といった受験生を狙った痴漢を示唆するような投稿が相次ぐこともあり、警察も現場で取り締まりを強化しています。そういう話題になりやすい時期だからこそ、この画像が物議をかもしたのかもしれません」

 一番の解決策は卑劣な痴漢を撲滅することだが、現実はそう簡単ではない。まずはいろいろな立場の意見を理解しあって、つい殺気立ちがちな朝の時間帯も穏やかな心でいることが肝心なのかもしれない。

    前日のランキングへ

    ニュース設定