身構える米金融市場=トランプ関税発動に警戒

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2025年02月01日 15:01  時事通信社

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時事通信社

 【ニューヨーク時事】トランプ米大統領は1日から、カナダやメキシコ、中国からの輸入品に新たな関税を課す方針だ。また、海外から輸入される石油や半導体など幅広い品目にも関税をかける見通し。詳細は不明だが、投資家は週明けの米金融市場の急激な変動に身構えている。

 1月31日のニューヨーク株式相場は、トランプ政権の高関税政策が嫌気されて下落したものの、下げ幅はきつくなかった。投資家の間で、土壇場で関税発動が回避されるとの期待があったとみられる。

 コロンビア政府は1月下旬、米政府とのぎりぎりの交渉で、送還される不法移民の受け入れに合意。トランプ政権の制裁措置や関税引き上げを回避した。

 これを踏まえ、市場では「関税がすぐに撤回される可能性もあり、市場は今後の交渉の行方を見極めようとしている」(日系証券筋)との声が聞かれた。カナダやメキシコも、コロンビアと同様にトランプ氏の要求に応じて国境警備の強化を約束し、「関税発動を逃れる可能性がある」との見方もあった。

 米株価は、トランプ氏が掲げる減税や規制緩和への期待などを背景に上昇基調が続いてきた。ただ、「これまで、関税のリスクに対して市場は楽観していた」(別の証券筋)との指摘もあり、投資家は週明けの株価急落など、金融市場の混乱を警戒している。 
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