京阪ダイヤ改正に驚き…大阪口の普通・区間急行はなぜ4両編成に?実際に乗って確かめてみた

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2025年02月02日 13:00  まいどなニュース

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ベテラン車両も普通運用に就く

京阪電気鉄道は1月10日にダイヤ改正を発表しました。実施日は3月22日です。今回の改正では、京阪線で大きな変更が行われますが、筆者が特に驚いたのは、淀屋橋・中之島〜萱島間の普通・区間急行の両数減少です。この変更の背景を探るべく、京橋〜萱島間の普通列車に乗車してみました。

【写真】昼間時間帯の京橋発普通は15分間隔だが…?

昼間時間帯も大きく変わる

まず、京阪線の昼間時間帯のダイヤが大幅に変更されます。現在、昼間時間帯(10〜14時台)は約15分間隔を基本としていますが、改正後は各列車種別が約12分間隔で運行されます。一方で、昼間時間帯の快速急行は廃止となり、特急、準急、普通の3種別に統一されます。

次に、淀屋橋・中之島〜萱島間の普通・区間急行は4両編成が主流に。平日朝夕ラッシュ時も基本的に普通・区間急行は4両編成になります。

平日朝ラッシュ時には、7〜8時台の大阪方面行き(京橋着)で普通と区間急行の増発を行います。また、急行・準急の守口市の停車時間を拡大し、混雑緩和と所要時間の短縮を図ります。平日夕ラッシュ時には、17〜18時台の京都方面行き(京橋発)で区間急行と普通の増発が行われます。

その他、大阪・関西万博期間中に走る臨時列車の設定や列車増発なども実施。京阪本線の終電時間は変更されませんが、中之島発の終電は23時50分から23時54分に変更されます。

守口市で一気に変わる

筆者は1月の平日に京橋〜萱島間の普通列車に乗車しました。1本目は京橋12時15分発の普通萱島行き(7両編成)です。昼間時間帯の普通列車は15分間隔で運行され、守口市まで先着します。

京橋駅を発車した時点で、中間車の座席は7〜8割が埋まっており、立ち客はいませんでした。京橋〜守口市間は5.3キロ、駅数は8駅(京橋、野江、関目、森小路、千林、滝井、土居、守口市)あります。そのため、電車というよりも路線バスのような印象を受けました。京橋と守口市を除くと、野江での降車客が目立ちました。

12時27分に守口市駅に到着。萱島までは複々線区間ですが、同駅で快速急行と準急の接続待ちをします。守口市駅までの乗客の大半が降車し、準急から普通に乗り換える客が多く、同駅で乗客の入れ替わりが顕著でした。また、乗客の層も変わり、ビジネスパーソンの割合が増えました。

その後、西三荘(パナソニック本社の最寄駅)で多くのビジネスパーソンが降車。さらに、門真市、古川橋、大和田に停車し、12時43分に萱島に到着しました。到着時には空席が目立ち、大半の乗客が京都方面行きに乗り換えました。

2本目は萱島12時53分発の普通中之島行き(7両編成)です。京橋へは同駅13時02分発の準急が先着しますが、準急に並ぶ客は少なく、大半は普通に乗車しました。京都方面との違いは門真市での降車が目立ったこと。また、ビジネスパーソンの比率も低いです。

13時03分に守口市に到着し、大半は準急に乗り換えます。京都方面と同じく、大阪方面も守口市で入れ替わるといった感じです。筆者は守口市で降りましたが、去り行く普通を観察すると、大阪方4両は7割ほど座席は埋まっていましたが、後ろ3両は空席が目立っていました。

12時台の普通列車は、乗車率はそこそこ高い印象を受けました。ただし、これは現行の15分間隔を前提としています。今後、この輸送量が維持される場合、12分間隔・4両編成という運行形態も妥当だと感じました。

京阪のライバルはOsaka Metro谷町線

京橋〜萱島間の中間駅では、乗降客数が減少傾向にあります。守口市駅の1日あたりの乗降客数は、2009年の約42,000人から2019年には約36,000人に。同じく滝井駅では約2割減です。

一方、並行するOsaka Metro谷町線では、乗降客数が増加しています。谷町線守口駅の1日あたりの乗降客数は、2009年の約16,000人から2019年には約17,000人に増加。野江内代駅でも約9,000人から約10,000人に増加しました。谷町線の昼間時間帯は1時間あたり各10本が運行され、京阪本線普通列車の倍以上の列車本数となっています。

しかし、京阪の大阪口における乗降客数の減少の要因は運行本数だけではないように思います。1つ目は京橋と谷町線が乗り入れる梅田エリアとの違いです。京橋はJR大阪環状線、学研都市線、東西線とOsaka Metro長堀鶴見緑地線が乗り入れる主要駅です。

ところが、2019年にイオン京橋店が閉店になり、イベント広場「FULALI KYOBASHI」に変わりました。「FULALI KYOBASHI」はあくまでも再開発までの暫定利用施設です。

京阪ホールディングスでは重点政策「大阪東西軸復権」のひとつとして、京橋駅周辺の再開発を打ち出しています。計画では2030年までに着工のことです。一方、谷町線が乗り入れる梅田エリアは改めて説明するまでもなく、再開発が進み面目を一新しています。

2つ目はOsaka Metro谷町線の沿線開発です。 2023年12月にOsaka Metro守口駅上にイオンタウン守口がオープン。2025年1月現在、スーパー「イオンスタイル」以外にも17の専門店が入居しています。

京阪守口市駅は京阪百貨店守口店に直結していますが、イオンタウン守口ができたことにより、守口駅はより手強いライバルになったという感じでしょうか。

現時点では京橋〜萱島間において谷町線に押され気味の京阪ですが、京橋再開発などを通じて、今後の反転攻勢が期待されます。

(まいどなニュース特約・新田 浩之)

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