花王24年12月期は日本・欧州が好調 UVプロテクションやヘアケア改革が奏功

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2025年02月06日 19:21  Fashionsnap.com

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 花王が2024年12月期通期連結決算(国際会計基準、2024年1〜12月)を発表した。売上高が前期比6.3%増(実質3.3%増)の1兆6284億円、営業利益が同144.3%増(同27.8%増)の1466億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同145.7%増(同25.1%)の1077億円となり、増収増益だった。ハイジーン&リビングケア事業がけん引し、ヘルス&ビューティケア事業ではUVケアなどプロテクションアイテムが売上に貢献。化粧品事業は日本が好調に推移した一方で中国市場への出荷抑制でアジア地域で前年を下回る結果となった。

 化粧品事業は、売上高が同2.3%増(実質0.0%)の2441億円を計上。「カネボウ(KANEBO)」や「ソフィーナ iP」、「キュレル(Curel)」、「センサイ(SENSAI)」が好調に推移し、前期を上回った。中国を除くアジアはOMO戦略の取り組みを強化したことで、キュレルや「ケイト(KATE)」が成長した。一方で中国は市場の成長鈍化と競争環境の激化を加味した出荷抑制による流通在庫の適正化を実施。これらによりアジア全体の売上は前期を大幅に下回った。欧州ではセンサイの最高峰シリーズや唇用エイジングケア美容液「トータルリップトリートメントスティック」が好調に推移し、「モルトン ブラウン(MOLTON BROWN)」が堅調に伸長したことなどから前期を上回った。営業利益は37億円の赤字(前期は54億円の赤字)となり、前期から赤字幅が縮小した。
 ヘルス&ビューティケア事業の売上高は同7.9%増(4.1%増)の4240億円。スキンケア製品が前期を上回ったほか、日本では「ビオレ(Biore)」のメイク落としやUVケア製品、シート関連の新製品が好調に推移。「グローバル・シャープトップ戦略」ではUVケア製品を含むスキンプロテクションカテゴリーが成長し、CAGR(年平均成長率)は22.9%となった。2023年に買収したオーストラリア発のプレミアムスキンケアブランド「ボンダイサンズ(Bondi Sands)」の売上も寄与。ヘアケア製品は、「エッセンシャル(Essential)」のリブランディングや新ヘアケアブランド「メルト(melt)」、「ジアンサー(THE ANSWER)」が計画を上回り、目標の2倍のシェアを獲得(2024年11〜12月)したほか、「ケープ」の新作も好調。欧米では「ジョンフリーダ(JOHN FRIEDA)」が順調に推移した。ヘアサロン向けの「オリベ(ORIBE)」はEコマースを中心に伸長し、欧州では「ゴールドウェル(GOLDWELL)」が貢献した。 パーソナルヘルス製品の売り上げは、前期を下回った。営業利益は、マーケティング費用や欧米子会社での構造改革費用を計上したため、344億円(前期から60億円減)となった。
 2025年12月期連結業績は、売上高が前期比2.6%増(実質3.1%増)の1兆6700億円、営業利益が同9.1%増の1600億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同7.6%増の1160億円を見込む。
 なお、グローバル・シャープトップ戦略の遂行および中期経営計画「K27」の達成に向け、グローバル成長を一層加速させるため、「グループリソースの最大活用」、「責任範囲の明確化」、「意思決定の迅速化」といった観点で、1月1日に組織・機能を再編。事業と販売の一体運営をさらに推進していく。また、ビジネスコネクティッド部門を新設し、グローバルでの事業と販売及び事業間の横断活動を最大化させるとともに、社外との連携を強化し、新たなビジネスの創出を目指す。加えて、業務用衛生製品(Washing Systems, LLC ※米国を除く)を編入することでB to Bビジネスの成長を加速させる考えだ。
 組織体制の再編により、報告セグメントを「コンシューマープロダクツ事業」から「グローバルコンシューマーケア事業」に、「ハイジーン&リビングケア事業」を「ハイジーンリビングケア事業」に、「ヘルス&ビューティケア事業」を「ヘルスビューティケア事業」へと改称。「ビジネスコネクティッド事業」を追加する。

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