<カーリング日本選手権:ロコ・ソラーレ7−6フォルティウス>◇6日◇横浜BUNTAI◇女子◇2次リーグ
女子で18年平昌銅、22年北京銀と五輪2大会連続メダルのロコ・ソラーレが、大逆転で26年ミラノ・コルティナ大会の代表候補決定戦(9月)出場を決めた。最終の第10エンド(E)に3点を獲得し、無傷5連勝のフォルティウスを7−6で撃破。スキップ藤沢五月(33)が神投を連発した。今大会で必須の3位以内を確保し3大会連続の大舞台へ望みをつないだ。北海道銀行、フォルティウスを加えた3チームが決勝トーナメント(T)に進出した。
◇ ◇ ◇
25年2月6日。開幕のちょうど1年前、ロコ・ソラーレが五輪への道を明るく照らした。度重なる危機の先に、喜びが待っていた。
0−2の第3E、スキップ藤沢のラストショット。円の中心に、相手の赤い石が5個立ちはだかった。唯一通せそうなルートには味方から「キツくない?」の声が飛ぶ。あえて、そこを攻めた。「これを決めないと終わる。スイーパーが調整してくれる」。仲間を信じ、石の間を通して真ん中へ。1点を確保し、逆転ののろしをあげた。第7Eにも4失点のピンチ。再び石の間をすり抜け加点。最終Eには、2点差からの大逆転を呼び込んだ。
|
|
逆境が好きだ。勝利の立役者は「私のメンタルのクセ。ピンチの時に決めるんですよ。でもチャンスのときにミスってしまう」と笑う。得意なのは“ゾンビゲーム”。負けそうな場面からよみがえり、勝ち切ってみせる。これまでも五輪に関する窮地を何度も乗り越えてきた。そんなスキップだから、仲間も信頼できる。サード吉田知は「さすがに泣いちゃった。カーリング人生で忘れられないゲーム」と目を潤ませ、続けた。「これがサツキ・フジサワ。憧れの選手とプレーしている気分。サツキ1000%だった」と称賛した。
代表候補決定戦へ駒を進めた。結果を知り、メンバー全員で抱き合い、跳ねて喜んだ。ただ、藤沢は「喜びは数秒だった。次の試合に集中しよう」と切り替えた。9月は最大3チームで争うが、今大会で優勝すればSC軽井沢クとの一騎打ちに持ち込める。前回北京時は2連敗から3連勝。お家芸の逆転劇だった。イタリアを目指すロコの勢いも止まらない。【飯岡大暉】
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 Nikkan Sports News. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。