元ブラジル代表DFマルセロが6日、自身の公式SNSを通して現役引退を発表した。
マルセロは6日、自身の公式SNSに1つの動画を投稿。次のように言葉を綴り、現役引退の意思を明らかにした。
「僕のフットボールへの情熱は祖父から受け継いだものだ。彼は僕がプロの選手になることを心から願っていて、実現のためにすべてを尽くしてくれた」
「18歳のとき、レアル・マドリードが僕の人生の扉を開けてくれたおかげで、ここへ辿り着くことができた。今、僕は真の意味で“マドリレーニョ”になったんだ。ここでは妻とともに、新しい家族ができた。16シーズンで25個ものタイトルを掲げ、チャンピオンズリーグを5回も優勝して、そのうちの1つはキャプテンとして成し遂げることができた。ここ、『サンティアゴ・ベルナベウ』で幾度となく魔法のような夜を過ごしたんだ。なんて素敵な旅だったんだろう」
「レアル・マドリードは僕とって、何ものにも代え難い、特別なクラブだ。“マドリディスモ”は言葉で表すことのできない特別な気持ちさ」
「若い時から母国を背負ってプレーする機会に恵まれ、本当に名誉な時間を過ごした。オリンピック代表として2つのメダルを手にできたこと、A代表としてコンフェデレーションズカップを優勝したことは、一生忘れることのできない大切な思い出だ」
「フルミネンセへ復帰し、僕というサッカー選手が生まれるきっかけを作ってくれたクラブに恩返しすることもできた。コパ・リベルタドーレスを含む3つのタイトルを獲得する手助けもできたし、(ユースが使用するスタジアムに)『マルセロ・ヴィエイラ・スタジアム』という名前を残し、若い世代に“レガシー”を伝えることもできたと思う。」
「選手としての僕の旅は、ここで終わりを迎える。だけど、フットボールに対して僕ができることはまだたくさんある。すべてに感謝しているよ。本当にありがとう」
マルセロは1988年5月12日生まれの現在36歳。母国フルミネンセの下部組織出身で、同クラブでトップチームデビューを飾ると、2007年1月には18歳でレアル・マドリード加入が決定した。レアル・マドリードでは母国の先輩であるDFロベルト・カルロス氏から左サイドバックの座を継承し、長年にわたって主力として活躍。2021−22シーズン終了後に契約満了を受けてクラブを離れるまで、在籍16シーズンで公式戦通算546試合出場38ゴールを記録した。
公式戦出場試合数は、現時点でレアル・マドリードの歴代13位の記録。外国籍選手としては、元フランス代表FWカリム・ベンゼマ(現所属:アル・イテハド)、クロアチア代表MFルカ・モドリッチに次ぐ歴代3位の数字を残した。また、在籍期間中にはクラブ史上最多となる通算25個のタイトルを手中に収めており、5度のチャンピオンズリーグ(CL)優勝や6度のラ・リーガ優勝など、数々の栄光の瞬間に立ち会った。
2022年夏にレアル・マドリードを退団すると、半年間はギリシャ・スーパーリーグ(1部)のオリンピアコスでプレー。2023年2月にはフルミネンセに完全移籍加入し、およそ16年ぶりの古巣復帰を果たした。慣れ親しんだ背番号「12」を着用し、2023シーズンにはコパ・リベルタドーレス優勝にも貢献したが、昨年11月にはマノ・メネーゼス監督との衝突が原因で、双方合意のうえでの契約解除が発表。フルミネンセでは、レアル・マドリード移籍前も含めると公式戦通算107試合出場11ゴールを記録した。
ブラジル代表としても長きにわたって活躍。フルミネンセ在籍時の2006年9月に行われたウェールズ代表との国際親善試合において、18歳でデビューを飾ると、同試合ではゴールも記録。FIFAワールドカップは2大会連続で出場するなど、“セレソン”の左サイドバックとして確固たる地位を築いた。国際Aマッチ通算では58試合に出場して6ゴールを挙げた。
なお、マルセロの現役引退を受けて、レアル・マドリードは6日付でメッセージを発信。「マルセロはレアル・マドリードの歴史の一部であり、我々のクラブ、そして世界のサッカー界の偉大な伝説の一人である」といったコメントで、敬意を表した。
また、レアル・マドリードのフロレンティーノ・ペレス会長も、クラブを通して「マルセロは、レアル・マドリードと世界のサッカー史上、最も偉大な左サイドバックの一人である。我々は長きにわたって、彼の“らしい”プレーを楽しむことができた。彼はレアル・マドリードの最も偉大なレジェンドの一人であり、レアル・マドリードが常に彼のホームであることは、これまでもこれからも変わらない」と発した。
【動画】マルセロが現役引退を発表
Forever grateful 💜#M12 pic.twitter.com/k8GP19sybd— Marcelotwelve (@MarceloM12) February 6, 2025