三菱ケミカルグループ(写真上)と田辺三菱製薬の看板 三菱ケミカルグループ(G)は7日、子会社の田辺三菱製薬を、米投資ファンドのベインキャピタルに売却すると発表した。売却額は約5100億円。三菱ケミカルGは事業の選択と集中を進め、半導体関連材料など本業の化学事業の強化に注力する。一方、田辺三菱はベイン傘下で新薬開発に必要な投資資金を確保し、医薬品メーカーとしての成長を目指す。
売却は今年9月までに完了する予定。三菱ケミカルGの筑本学社長は記者会見で、医薬品開発の軸足が低分子薬からバイオ医薬へと移る中、「化学とのシナジーが薄れてきている」と売却理由を説明。同社傘下のままでは「(田辺三菱の)成長に一定の制約がある」と述べた。