バレンシアの絶対的守護神として活躍したカニサレス氏 [写真]=Getty Images 衝撃的な大敗を続けているバレンシアに対して、かつて同クラブの絶対的守護神として活躍した元スペイン代表GKサンティアゴ・カニサレス氏は複雑な想いを抱いているようだ。7日(現地時間)、スペインメディア『Relevo』が伝えている。
バレンシアは、1月26日(現地時間)に行われたラ・リーガ第21節のバルセロナ戦で1−7と大敗。直後の2日に行われた第22節のセルタ戦は2−1で制したものの、6日のコパ・デル・レイ(国王杯)準々決勝で再びバルセロナ相手に0−5と大量失点で敗れた。バレンシアのサポーターの中には、ふがいないチームの姿を見て前半のうちにスタジアムを後にする者もいれば、オーナーであるシンガポール人実業家ピーター・リム氏の辞任を求めたりする者もいた。
バレンシアを象徴する名選手だったカニサレス氏も、サポーターと同じようにクラブへの不満を抱えている。『Relevo』によると、カニサレス氏は「このようなチームを見るのは恥ずかしい」とコメント。強豪クラブとして国内リーグやUEFAチャンピオンズリーグで好成績を収めていた時代を振り返りつつ、自らも含めたバレンシアに関わる全ての人々の責任について言及した。
「ここに住んでいる私たちは、チームの漂流を目の当たりにしている。ポピュリストに推され、全く経験のない男(リム氏)にクラブを売却することを決め、その後も首脳陣に圧力をかけることなくこの状況にただ耐えてきた。私たち全員がこの惨状に多少なりとも加担していたと言える」
「バレンシアが世界有数のチームだったのは20年前以上も前のことだ。そこからのチームは世界のサッカーシーンから姿を消し、リーグ戦では順位を落とし続け、今では残留のために勝ち点4差を埋めるべく苦心している」
カニサレス氏は、リム氏をはじめとするクラブ首脳陣の退任こそがクラブ再建の足掛かりになると指摘。「彼らはもっと多くのことができたはずだ」と糾弾した。