フィギュアスケート男子の冬季オリンピック(五輪)2連覇王者、プロ転向3年目の羽生結弦さん(30)が、涙の完走を果たした。9日、千葉・ららアリーナ東京ベイで単独アイスショーの全国ツアー「Echoes of Life」の千秋楽公演を迎え、アンコール前、マイクを握り「ありがとうございました!」とファンへ叫んだところで、感極まった。
チケット争奪戦を勝ち抜いた満員の8300人を前に、この日も15曲を披露。30歳の誕生日を迎えた昨年12月7日の初日(さいたまスーパーアリーナ)から3都市7公演を無事に終え、報道陣の取材に応じた。
一問一答(3)は次の通り。【木下淳】
−ストーリー的に、浄化した憎悪への祈りもあったんですか
「あのシーンは、あの世界の中で生命がだいぶなくなってしまった中で、やっと芽吹きが与えられることに気が付き始めるというところで。自分の周りに命が宿っていくことへの祈り。1つ1つの命が、どうか育ってくれますように、みんな生きてくれるように、ということの祈りがNovaとしては一番強かったですね。最後はみんな生きて、と言っていました」
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−Ice Storyは全て「孤独」がインスピレーションになっているんですか
「あんま、孤独とは思ってないんですよね。ただ戦わなきゃいけない時だったり、もちろん人間、誰しもが持っていることだと思うんですけど、全てを共有できるわけではない。とても悲しいことだけれども、自分の苦しみだったり、喜びだったり、を全部共有できるわけではないじゃないですか。それってみんな孤独だなと思っていて、でも、だからこそ人間は言葉というものを使うし、文字を使うし。Novaで表現したかったのは、たとえ、その世界で1人だったとしても、文字や記録や音とか、そういうもがある限りは1人じゃないんだ、ということを表現したつもりなので。僕が孤独だとはそんな思っていないんですけど、最近は。ただ、皆さんの中にある、ちょっとした孤独、みんなが気付いてくれない孤独みたいなものに対して、大丈夫だよ、と言う気持ちで表現した気持ちです」
−公演を重ねるごとに素晴らしいものができ上がっていきました。7公演を経て超えられたものは
「新しいトレーニングもまた始めてみて、可動域を上げるとか、単純に柔軟性が上がるとかじゃなくて、使える体の動きと、どれだけリカバリーを早くできるかということと。あとは自分の特長である、しなやかさ、美しさ、みたいなものへの磨き方を広島の直前くらいから練習を始めています。それがやっと今回、まとまってくれたなっていう感覚で今います。なので、これからまたどんどん変わっていけるんだなという感触、実感があります。ありがとうございました!」
◆Yuzuru Hanyu ICE STORY 3rd−Echoes of Life−TOUR 人生の旅路や成長をテーマに「命」とは、そして「生きる」ことの本質とは、を問う。アーティスト羽生が自ら制作総指揮を執る「Yuzuru Hanyu ICE STORY」シリーズの第3弾。「GIFT at東京ドーム」「RE_PRAY TOUR」に続く独創的な物語をつづった。過去2作と同様、演出にはMIKIKO氏を迎えた。さいたまスーパーアリーナで昨年12月7、9、11日、広島グリーンアリーナで今年1月3、5日、ららアリーナ東京ベイで2月7、9日の3都市7公演。全国の映画館などでライブ・ビューイングが行われ、CSテレ朝チャンネルでも独占生中継された。
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