
スポルティーバでは、2021年に当時の「歴代日本人ドリブラートップ10」を発表。選定してもらった解説者の水沼貴史氏に、今回2025年の「シン・ドリブラーランキング」を決めてもらった。前回のメンバーを除いた、新たな日本人ドリブラーが登場。まずは10位から6位まで。注目のJリーガーが並んだ。
2021年発表「水沼貴史が選んだ歴代日本人ドリブラートップ10」>>
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10位 俵積田晃太(FC東京)
彼は独特のリズムを持っていて、右足でちょっとボールを掻きながら緩急をつけていくタイプ。スラロームでスルスルと行くのではなく、相手の重心を見ながら緩急で抜き去っていくスタイルです。彼がもうひとつブレイクするためには、フィニッシュの部分。最後を仕上げる力がもっと出てきてほしいなと思います。
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昨季も大きく成長しましたが、その理由は遠藤渓太の加入だと思います。彼は負けたくない思いが強く、遠藤のプレーを見て、考えながらプレーしていくうちにどんどん伸びていったなと思います。そういうライバル関係がチーム内にありながら、今季の俵積田がどれだけ伸びていくか、非常に楽しみですね。
9位 島村拓弥(柏レイソル)
島村が柏で出てきた時に、新しいタイプだなと思いました。ボールタッチがすごく柔らかい。主戦場の右サイドで、利き足の左足でボールを持ちながら「スピードで突破していく」というより、「間合いを取りながらすり抜けていく」ドリブラーですね。
体の使い方がうまくて、右足で相手をブロックしてボールを隠しながら持っていくのが得意。そういうところは見ていて楽しいです。
昨季は左にマテウス・サヴィオがいて、右の島村はそれとはちょっと違うタイプとして、試合に変化をつけられる存在だったと思います。島村がそのゲームチェンジャーから先発に定着するためには、点を取るという結果にこだわることだと思います。
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8位 紺野和也(アビスパ福岡)
彼は独特な左足を持っていて、緩急あるドリブルが目立つけれど、左足のキックも精度が高いし、ゴールに入っていく動きもいい。それは昨季の数字にも表れていたと思います(37試合出場。6ゴール、2アシスト)。ドリブルはもちろんですけど、それ以外の部分でも変化をつけられる選手ですね。
独特の間合いから、相手の重心がずれたところに入っていくドリブルがあって、狭いところにも入っていけるアジリティがある。キックも振り幅が大きくないので、ちょっとしたタイミングや隙があればクロスを入れられる。
体の大きな選手とは違う武器を持っていて、ボールが入った瞬間に何かをしてくるタイプですね。彼がゴール前やその近くに来た時は、楽しみにしたいと思います。
7位 金子拓郎(浦和レッズ)
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北海道コンサドーレ札幌でプレーしていた頃は、ドリブル成功数が一番高かった選手です。彼があれほど高い確率で突破できるのは、タイミングがいいんだと思いますね。
金子のドリブルはまず初速が速い。最初に持ち出してから相手の前に体でぐっと入っていく力が相当強いし、そこからさらにもう一回入って決定的なパスが出せるんです。地元の埼玉で、憧れのチームに帰ってきたという高いモチベーションもあると思うので、浦和を浮上させるキーマンになるといいですね。
6位 相馬勇紀(FC町田ゼルビア)
相馬もドリブルはもちろんですけど、走るスピードや、フリーキックも蹴れるキックの質が豊富、左右どちらのサイドもこなせるユーティリティ性など、武器がたくさんある選手ですね。
ドリブルのタイプとしては右足でボールを突きながらちょっとした体のウェービングだけでグッと持っていける、初速が速いドリブラーですね。ドリブルで中に入りきらなくてもクロスをあげられるし、その判断もいい。
中にはオ・セフンやミッチェル・デュークという合わせやすいターゲットがいるので、相馬の左からカットインのクロスとか、縦に行ってから切り返してのクロスとかは絶対に武器になります。
彼は名古屋グランパスや鹿島アントラーズで、彼のなかで思うようなプレーができずに苦労した。そして海外から帰ってきた時に話したら様子が全然変わっていて、メンタル面での成長をすごく感じました。そこで自分というものを確立してきたんだなと。町田を劇的に変えられる選手になったと思います。
後編「今、一番突破力があるのは誰? ドリブラーランキングベスト5」>>