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「5人でご来店の青年達の1人が冷たいドリンクをテーブルの下にほぼ全てこぼしてしまいました。お店側としてはほぼ飲んでいなかったので新しいドリンクを提供させて頂きました。普通にお会計してお帰りになった後のテーブルの上にこんなものが…」
北海道の甘味処「函館さくら家」の店主が見つけたのは、「すみませんでした。コーヒー本当においしいかったんです」と書かれた紙ナプキンと、500円玉と100円玉。ちょうど再提供した代金分でした。
海外からの旅行客も多いため日本語に加え、英語、中国語、韓国語のメニューを用意している同店。そのお客は韓国語のメニューを選んだとのこと。そんな海外からの青年の奥ゆかしい気遣いに感謝する店主に、今回のことについて詳しい話を聞きました。
「暖かい心のリレー」「優しいのは韓流ドラマだけじゃなかった」と34万いいね
歴史的な建造物や絶景スポットが多いエリアにある甘味処「函館さくら家」は、函館のお正月の郷土料理くじら汁を常時いただける店として人気です。
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「和やかな雰囲気で話をしていて、ほほえましかったですよ」と、楽しんでいた観光客5人組の1人がカフェオレを盛大にこぼしたときのことを振り返ります。
「床はびしょびしょで、カフェオレの海になっていました。はいていたズボンは防水機能付きとのことでしたが、カフェオレが降りかかっていて、大変だ!と思いました」。
他の4人が注文したドリンクは、その時点で未提供。「4人が飲みものを飲んでいるときに、彼だけ飲むものがないのも気の毒だと思いました。カフェオレをこぼした青年に『新しいものをお持ちします』と伝えると、『いえ、自分でこぼしたのですから大丈夫です』とのことでしたが、新しいものを提供しました」と店主は、金額については特に触れなかったとのこと。
「カフェオレを改めてテーブルに運びました。そのようなことがあったお客さまから、お会計時に2杯分お支払いします、とお申し出いただくことはよくあります」。
お会計をして店を後にした青年たちのテーブルの後片付けに行くと、そこには先述のメッセージとカフェオレ代が!「そんなことをされたのは今回が初めて。さりげない心遣いにニクいな〜、と嬉しくなりました。5人とも素敵な男の子たちでした」。
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心が温かくなり、Xに投稿すると、瞬く間に拡散し約34万件のいいねを獲得。たくさんのコメントが寄せられました。
「世界中にはこんな素敵な人たちがきっといる!」
「韓国の優しい心遣い、ドラマだけでは無かった」
「お店の心遣いとお客さんの心の暖かさのリレーのよう」
「自分も海外に行った時は日本人の代表のつもりで現地の人と接しよう」
「結局は国や人種じゃなくて 人と人」
「最近は難癖つけて要求などの投稿が多い中…ジーンとしました」
「一生懸命日本語で書いてくれたの、嬉しい」
「他国を批判したくなる時はあるけれど、全員が悪い人間ではないということに気付かされると心持ちが変わります」
大きな反響を得たことについては、「実はSNSは使いこなしていないので恐怖しかないのです」。以前、店の前の無人販売所に、100円のかわりに500ウォン(2月11時点のレートで、約52円)が入っていたという苦い経験もあったそうですが、「それだって、誰がやったのかわからないねと、当時、店のスタッフと話していました」と語る店主。
カスハラ、あるいはバイトテロなどの言葉が取り上げられ、モラルの低下や欠如が危惧される世の中です。今回店主は、何も言わずに、新たなドリンクを提供しましたが、それは当然のこととして受け止めていはいけません。1杯目の時点で、食材費、その提供の準備の人件費がかかっています。大人子ども関わらず、メニューや商品を損傷したときにも同様です。お店側だけが被害をこうむるような考え方や行動は避けたほうがいいでしょう。
今回の出来事は、国や人種、年齢など関係なく、その人自身の厚意によるもの。函館さくら家に訪れた青年の行動が、それを教えてくれているのではないでしょうか。
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(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・宮前 晶子)