今季J1の順位予想 識者が悩み抜いて選んだ優勝チームと降格候補3クラブは?

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2025年02月13日 07:30  webスポルティーバ

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毎年恒例の識者5人によるJ1全順位予想。熾烈な争いを制して、頂点に立つのはどこか。はたまた、降格の憂き目にあってしまうのはどこか。意外な注目チームを含めて、要チェックである――。

前編◆J1全順位を識者が予想! 断然の支持を集めたのは、神戸か、広島か、それとも...>>

昨季の上位3チームを上回るのはどこだ?
可能性を感じさせるのは浦和と鹿島

杉山茂樹(スポーツライター)

1位 浦和レッズ
2位 鹿島アントラーズ
3位 サンフレッチェ広島
4位 FC町田ゼルビア
5位 ヴィッセル神戸
6位 FC東京
7位 ガンバ大阪
8位 横浜F・マリノス
9位 川崎フロンターレ
10位 名古屋グランパス
11位 東京ヴェルディ
12位 アビスパ福岡
13位 京都サンガF.C.
14位 セレッソ大阪
15位 湘南ベルマーレ
16位 アルビレックス新潟
17位 柏レイソル
18位 ファジアーノ岡山
19位 清水エスパルス
20位 横浜FC

 ビッグクラブ不在。頂点が低いピラミッド型。群雄割拠の状態が続くJリーグの順位予想は、世界各国のリーグのなかで最も難しいのではないか。昨季J2から昇格したFC町田ゼルビアが優勝争いを展開。3位に食い込む姿にそれは象徴される。

 その町田。昨季終盤の戦いぶりを見ると今季は危うそうに思われたが、戦力を大量に補強。昨季の勢いは維持される。大きな落ち込みはないと見る。

 一方、町田と同系のサッカーを展開する昨季2連覇を飾ったヴィッセル神戸には3連覇を狙う勢いはないと見る。その神戸と昨季、優勝争いを展開したサンフレッチェ広島のほうが安定感を抱かせる。

 昨季のこの上位3チームを抜き去るチームが現われないとJリーグのレベルは更新されない。可能性を感じさせるチームはふたつ。浦和レッズと鹿島アントラーズだ。

 浦和については個人的に、常に優勝候補に挙げながら裏切られてきた経緯がある。今季も怪しいムードを感じないわけではないが、Jリーグナンバーワンアタッカー、MFマテウス・サヴィオ(柏レイソル→)の加入は大きい。起爆剤になり得ると見る。

 日本人ではレンタル先のディナモ・ザグレブで欧州CL出場を果たし、ゴールも決めるなど活躍したDF荻原拓也の復帰も大きい。格の違いを披露できるか、期待したい。

 鹿島も毎シーズン期待されながら、優勝争いに加われない状態が続くチームだ。監督交代が頻繁すぎるがゆえに、チームが落ち着かないという印象だ。鬼木達監督の就任を機に、その流れに終止符は打たれるか。

 きちんとした攻撃的サッカーを実践することができれば、チームに勢いは生まれる。荒っぽいサッカーを展開する町田、神戸に先着してほしいという願望を含め、浦和とともに優勝候補に推したい。

 注目チームはFC東京。誰が監督を務めても、順位もサッカーの中身もほぼ変わらない珍しいチームだが、日本人監督にしては色のある松橋力蔵監督の就任で、チームカラーは変わるのか。東京のチームが頑張らないと、Jリーグは盛り上がらない。

今季も「決定打がない」Jリーグの戦い
V候補筆頭は広島、ダークホースは福岡か

小宮良之(スポーツライター)

1位 サンフレッチェ広島
2位 アビスパ福岡
3位 ヴィッセル神戸
4位 鹿島アントラーズ
5位 FC町田ゼルビア
6位 東京ヴェルディ
7位 FC東京
8位 ガンバ大阪
9位 横浜F・マリノス
10位 川崎フロンターレ
11位 名古屋グランパス
12位 浦和レッズ
13位 セレッソ大阪
14位 柏レイソル
15位 湘南ベルマーレ
16位 アルビレックス新潟
17位 京都サンガF.C.
18位 清水エスパルス
19位 横浜FC
20位 ファジアーノ岡山

「決定打がない」

 今シーズンも、それがJ1の戦いの特徴だろう。

「群雄割拠」「下剋上」と言えるが、「団子レース」「ドングリの背比べ」とも言える。プレースタイルを確立したチームは少なく、戦力の優劣はあるが、有力選手の欧州移籍次第で途端に失速する。

 横浜FCやファジアーノ岡山がしぶとく勝ち点を稼いで中位で健闘する可能性がある一方、浦和レッズやセレッソ大阪のように資金力に恵まれたクラブが下位に引っ張られる可能性もある。当然、順位予想は難しい。

 3連覇を目指すヴィッセル神戸は、戦力的には一番恵まれている。しかし、大迫勇也、武藤嘉紀、酒井高徳など主力の高齢化は進み、盤石ではない。突出した数人の選手を中心にした"個人戦術"には、限界が見えつつある。

 サッカーの完成度では、サンフレッチェ広島が優勝候補と言える。個人的には、ミヒャエル・スキッベ監督は3年連続の優秀監督賞に値する(※Jリーグアウォーズでは2022年、2024年に受賞)。主力はほとんど残り、FWジャーメイン良(ジュビロ磐田→)、MF田中聡(湘南ベルマーレ→)を補強し、FWトルガイ・アルスランは"世界"を感じさせ、18歳のMF中島洋太朗は"怪物感"がある。

 Jリーグのなかではクラブとして戦略も一貫しているし、すばらしいスタジアムも2年目で、「優勝しない」はむしろ失敗だ。

 横浜F・マリノス、川崎フロンターレは、ひとつのサイクルを終えた。それぞれ、アンジェ・ポステコグルー、風間八宏という指揮官が作り上げた気風は擦りきれてしまった。土台は残っているが、パワーダウンは否めない。

 そこで、伏兵にはアビスパ福岡の名前を挙げたい。

 新たに就任した金明輝監督はサガン鳥栖時代のパワハラ問題で、マイナスからのスタートになる。しかし、優れた戦術家であることは間違いない。昨シーズンは参謀としてFC町田ゼルビアの躍進を支えた。試合中の修正も得意で、目利きとしてはJリーグ監督で1、2を争う。

 福岡は、前任の長谷部茂利監督が作り上げた強度の高い攻守のベースがある。MF名古新太郎(鹿島アントラーズ→)なども補強し、戦力も充実。イラン代表FWシャハブ・ザヘディは得点量産の可能性もある。町田に代わって、2025年のダークホースとなるか。

 海外移籍が進む一方、帰国組も増えた。個人的に注目はFC東京のMF橋本拳人。ロシア、スペインでの実績は他の選手を凌駕している。その力を見せつけられるか。

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