フランス女性の「ジム通いはNG」の優雅なワケは?“食べてスリムを保つ”秘密

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2025年02月13日 09:20  女子SPA!

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日本でも話題になったアメリカ合衆国のテレビドラマ『エミリー、パリへ行く』。フランスで生活するだけでモテるようになるんじゃないかと錯覚するほど、シカゴっ子のエミリーが洗練されていくのです。

◆父の「じゃがいも袋」のひとことでダイエットに目覚める

『フランス人はなぜ好きなものを食べて太らないのか』は、日本人でもエミリーになれるのでは?と本気で信じてしまう一冊。枕詞にフランスとつくだけで、ファッションもメイクもスイーツもすべてがランクアップして見えるのは、フランス人が自らをブランドとしてとらえているからかもしれません。

本書の著者ミレイユ・ジュリアーノは生粋のフランス人ですが、18歳でアメリカに留学した1年間で体重が10キロも増量。最愛の父に「じゃがいも袋にそっくりだ」と揶揄されたのを機に一念発起、世にもエレガントなダイエットが幕をあけたのです。

◆その食べ物は敵か、味方か

ペストリーにチョコレート、各種ワイン。フランス人に食事を減らせというのはまさに野暮。バランスとおいしさを欠いたものを除いて。

本書は問います。「なぜ、あなたはやせたいのか?」。世間の風潮が相変わらずスリム信仰だから?いいえ、本書いわく太ってしまったのは「好物を心から味わっていない」そして「自分の喜びを発見して育てようとすること」を怠っているから。

あなたも経験していますよね。「あと一口!」を我慢した時が一番満足しているという事実に。本当に満たされている状態は、胃よりもむしろ心がおしえてくれるのです。取り入れ方によっては敵にも味方にもなる、食材の扱いを知って調理をする、このルーティンで五感が自然と味方だけを振り分けるようになります。

「他の多くの文化では消滅してしまっている」儀式としての食事の準備が、身も心も自然とブランド化するフランス流のセオリーなのかもしれません。

◆食事は自分と向き合う時間

アメリカ人はなぜ躍起になってジム通いをするのか、なぜがむしゃらに走るのか。こんな風にアメリカの魅力を皮肉たっぷりに指摘するのも、フランス人だからいいか、と苦笑しつつ許せてしまいます。それはフランス人がいかに日常に心を配るかを、本書が伝えているから。

ジムやジョギングで時間を費やすくらいなら、美しい街並みを散策する、市場まで買い物に出かける、自分のためにていねいな食事をつくることを、本書は提案しています。

そんな優雅な生活はしていられない!と嘆く日本人の多いこと(私もです)。でもとりあえず「本物の朝食を味わう」ということからはじめてみませんか?パンにハムとチーズ、あればレタスやトマトなどの野菜を挟み、自分のためだけにセッティングして、きちんと座ってゆっくりと味わう。気づけばスッと背筋が伸びて、スマホではなく外の景色を眺めている自分に驚くはずです。

加えて「1日あたり少なくとも2杯余分に水を飲み、機会を見つけてはさらに水を飲む」のを意識すれば、あなたにもフランス人のオーラが芽生えるかも。自分と向き合う時間を増やしていけば、心に呼応して体も変化してくるのです。

◆本物をチョイスしよう

本書を読み、ひとつ困った問題が起きました。無性にチョコレートが食べたくなるのです。フランス人とチョコレートは切っても切れない間柄のようで、実際「チョコレート中毒のフランス人」と記されていますし、「平均して年に5.5キロくらい」食べるといいます。

もちろん本書が薦めるのは「高品質のチョコレート」。日本でもかなり流通している高カカオのチョコレートです。「ダークチョコレートもしくはビタースイートかエクストラ・ビタースイート」で混じりけのない本物。間違っても「質の悪い脂肪をたっぷり含んだ劣った製品」に手を出してはいけません。

「多くのアメリカ人が一生の間に一度も本物のチョコレートを味わうことがなくなった」と、ちょいちょいまたアメリカの魅力を逆手に取るのもご愛敬。昨今は伝統的な技法を守る職人的なチョコレート店がアメリカにもできていて、著者もホッとしているのだとか。

偉大なる美食家ブリア・サヴァランに「チョコレートは健康である」と言わしめた高級かつ本物のチョコレート。科学的にも健康効果は証明されているのです。休憩時や食後のデザートにはぜひ、とっておきのチョコレートをうやうやしくご自身にサーブしてください。カカオポリフェノールが美と健康と、ストレス解消を約束してくれるでしょう。

本書を読むと、太るとかやせるとかの問題ではなく、どう生きるのか、どうやって生きるのを実感するのか、自分と対話したくなります。自分を最上級に扱って、「“C’est la vie”(セラヴィ)!」と(ひとりで)叫びたくなるのです。

<文/森美樹>

【森美樹】
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx

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  • フランスの肥満率は、15歳以上の成人では15.3%(2017年)とされています。日本(3.7%)デブだろフランス人。アメリカよりはマシだけど。
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