さっぽろ雪まつり「外国人配信者の暴挙」はなぜ野放しに?札幌在住の元キー局アナが物申す

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2025年02月14日 09:20  女子SPA!

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 2010年にTBSに入社し、『朝ズバッ!』『報道特集』などを担当したのち、2016年に退社したアンヌ遙香さん(39歳・以前は小林悠として活動)。

 TBS退社から8年経った今年、紆余曲折を経て20年生活した東京を後にして活動拠点を故郷北海道に戻したアンヌさん。アラフォーにして再スタートを切った「出戻り先」でのシングルライフの様子や心境をつづる連載です。
 第22回となる本記事では、今年の「さっぽろ雪まつり」で起きてしまった“トラブル”についてつづります(以下、アンヌさんの寄稿)。

◆雪玉を会場スタッフに投げつけた外国人配信者

 私が住んでいる札幌では、毎年恒例の「さっぽろ雪まつり」が2月4日から開催され、今週11日に閉幕しました。

 私にとって、20年ぶりの雪まつりでした。中学高校時代の同級生と足を運んできましたが、立派な巨大雪像にプロジェクションマッピングがあてられたりと見どころ満載。

 良質な雪と、大通公園という立地がうまく融合した素晴らしいイベントですが、会期中、思わぬ事態が起きてしまいました。

 昨今、海外からの旅行客が激増している北海道。各所で動画配信と見られる行為をしている人も増えています。

 北海道にお金を落としていただけるのは本当にありがたい限りなのですが、思わぬトラブルが増えてしまっているというのも実情。

 今回、さっぽろ雪まつりの会場でとんでもないトラブルが起きたという報道がありました。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、少し顛末をお伝えします。

 会場で動画の生配信を行っていたある外国人男性。

「次、自動販売機に来た人にこれをぶつける。嘘じゃないよ」というような発言をし、左手に雪玉を持ち、会場スタッフの日本人男性に近づいていきました。

「スイマセン」と声をかけ、その男性が顔を上げた瞬間、突然、スタッフの男性の顔にむけて雪玉を投げつけたのです。配信者は、「Sorry, sorry」と連呼。

◆「こいつら、低レベルだ」との発言も

 雪玉を投げつけられた男性が戸惑いの表情を見せる中、その様子を見ていたのが欧米系のご夫妻とおぼしき方々。

 なぜそのようなことをするのか!? とその配信者につめよります(当然です)。

 そこに警察官が通りかかりましたが、どうやらこの配信者は、無罪放免となった様子……。警察官は最後には「Have a nice day(よい一日を)」と言うような発言をしていたようですが……。

 配信者はその直後、このような発言をしていました。

「見たか。こいつら、低レベルだ」と……。うーん。

◆コミュニケーションの壁が背景に

 今回のニュース、私の親友がこのようなLINEをくれました。

「雪が積もる寒い中、一生懸命スタッフとして動いてくれていたのに、いきなりこんな悪質なことをされて、しかも唇から血も出ていたって聞くけど……。

 こんなことが雪祭りで起きてしまって、本当に残念。できるなら会場まで私はスタッフを労いに行きたかった」と。

 まったくその通りです。

 人の顔にむけて、場合によっては氷も入っているような固い雪玉を投げつけるなんて危険極まりないですし、これは実際にしっかりとその場で何らかの対応をされるべき問題であったのではないかと道民としても感じます。

 今回は間に入ってくださった欧米系の旅行者の方にも非常に感謝したいところではありますが、最近北海道でよく聞かれる「外国人旅行者」のトラブル、今回なぜ、まわりのスタッフ対応も含めて「お咎めなし」となったのか。考えてみれば、皆、正直英語がよくわからず、コミュニケーションがしっかり取れていなかったことで、なあなあになってしまった、またもしかしたら多すぎる外国人観光客対応に面食らっていたと言う点が根本にあるのではと感じています。

◆公金を投入してでも外国語の話せる人材を増やすべき

 北海道に帰ってきて思うのですが、もはや外国からの皆さんは、北海道の経済を支える大きな存在です。北海道ならではの酪農や農業、漁業と並ぶような柱の1つとしての観光業。

 しっかりとコミュニケーションを取ることができる人材の育成が喫緊の課題だと私は感じています。

 例えば、先日道内のある動物園に取材でお邪魔した際、外国人観光客の方が何メートルもあるような自撮り棒を使って動物を撮影している姿が目に入りました。

 動物は自撮り棒のようなよくわからないものが視界に入るだけでパニックになり、場合によっては怪我にさえつながる可能性があるといいます。

 そういった理由から、自撮り棒の使用は控えるようにとポスターが貼ってあるのですが、外国の人に「自撮り棒はダメ」とだけ言っても、それがなぜダメなのか、ただ「no! no!」だけであれば、それは「排除」につながるのみであり、何の歩みよりも生まれないわけです。

 もっと公金を投入してでも、英語や中国語、韓国語などを流暢に話すことができる人材を増やすべきだと私は考えます。

 もちろん、今回の雪玉をぶつけてきた配信者は、明らかな嫌がらせ、いたずら目的であり、「なぜ雪玉をぶつけたらだめなのか」なんて説明はするまでもありませんが、少なくとも、周囲の人間がもう少しきちんとコミュニケーションを取ることができれば、もっと事態は違う方向に行っていたのではないかと、私もいち道民として思うのです。

 先方が何を言っているかわからないし、こちらもどう説明したらいいかわからないから、なあなあに事をおさめる、なんてことは許されませんよね。

 寒い中、札幌のために働いてくださっていたスタッフの方に感謝と敬意、そして間違っていると声を上げてくださった外国人観光客の方にも、ひとりの道民として改めて感謝を申し上げます。

<文/アンヌ遙香>

【アンヌ遙香】
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道生まれ。お茶の水女子大学大学院修了。2010年、TBSに入社。情報番組『朝ズバッ!』、『報道特集』、『たまむすび』などを担当。2016年退社後、現在は故郷札幌を拠点に、MC、コメンテーター、モデルとして活動中。文筆業にも力を入れている。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中

このニュースに関するつぶやき

  • おおおお久しぶりにみたなナタリー。成人式だの迷惑DQNだの、日本人にも注意できないんだから”野放し”ってよりは”触らぬ神に祟りなし”って言い訳だろうね。
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