人種差別被害に遭った(中央)ドゥクレ [写真]=Getty Images エヴァートンに所属するマリ代表MFアブドゥライェ・ドゥクレが人種差別被害に遭ったことを受け、13日にリヴァプールとエヴァートンが共同声明を発表した。
プレミアリーグ第15節延期分が12日に行われ、エヴァートンとリヴァプールが対戦。11分にベトのゴールでエヴァートンが先制したものの、16分にアレクシス・マック・アリスターが同点弾を決めると、73分にはモハメド・サラーが勝ち越しゴールを挙げた。それでも、90+8分にジェームス・ターコウスキーが同点弾を決め、白熱した試合は2−2のドローに終わった。
劇的な展開で“マージーサイド・ダービー”が終了した後、エヴァートンMFドゥクレがリヴァプールファンを挑発するようなセレブレーションを見せたことにリヴァプールMFカーティス・ジョーンズが激怒し、ドゥクレに突っかかったことで両チームの選手が入り混じる激しい衝突も起きた。
この結果、試合終了後ながら、マイケル・オリヴァー主審はドゥクレとC・ジョーンズには2枚目のイエローカードを提示して退場としたほか、リヴァプールのアルネ・スロット監督とアシスタントのシプケ・フルスホフ氏にもレッドカードを提示するなど、大荒れな展開で終わっていた。
この後、ソーシャルメディア上で標的になってしまったドゥクレは人種差別的な被害を受けたことが大きな問題となっており、イギリスメディア『BBC』によると、地元のマージーサイド警察は捜査を開始したという。
これを受け、リヴァプールとエヴァートンはクラブ公式サイトを通じ、以下のように共同で声明を発表した。
「リヴァプールとエヴァートンは水曜日の夜に行われたマージーサイド・ダービー後にアブドゥライェ・ドゥクレが受けた人種差別被害を認識しており、可能な限り強い言葉で非難をする。このような暴言は非難されるべきものであり、容認されるべきではない」
「両クラブは協力して犯人の特定を目的とした捜査を行なっているマージーサイド・ダービー警察と協力していく。また、オンラインでの暴言を目撃または経験した人は、暴言が見られるソーシャルメディアのプラットフォームに報告をし、強調するように推奨をする」
「ソーシャルメディア企業を含め、私たち全員がゼロ・トレランス(いかなる違反も許さない)の姿勢を取らなければならない。プラットフォームはそのような虐待者を禁止するために説明責任を果たし、行動する必要がある。人種差別と憎悪は、オンライン、スタジアム、コミュニティーに存在するべきではない」
また、プレミアリーグも「私たちはエヴァートンとリヴァプールとともに、この忌まわしい虐待を強く非難し、アブドゥライェとクラブに全面的な支援を申し出た。私たちは特定され、差別の罪で有罪となった個人が、クラブの追放や法的訴追を含む、可能な限り最も厳しい結果に直面することを確実にするために、関連するソーシャルメディア企業や当局と協力している。フットボールはすべての人のものであり、私たちの試合や社会のどこにも差別の余地はない」と声明を発表している。
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