クイーンCに出走予定のティラトーレ(撮影:下野雄規) 牝馬三冠路線における重要な前哨戦。舞台となる東京競馬場芝1600mコースは、2角出口付近からスタートするワンターンコース。長くバックストレッチを走るためにハイペースにはなりにくいが、3〜4角のカーブが緩やかなためにペースは落ちにくく、スピードだけではこなせないタフなコースとなっている。過去10年で3番人気以内馬は[9-5-5-11]比較的平穏に収まるケースが多い。
◎ティラトーレはフェアリーSの2着馬で、クロッカスSの2着馬。前々走のフェアリーSは半マイル通過45.5秒、1000m通過57.3秒というハイペースについて行って4角先頭。最後はエリカエクスプレスに屈したが内容のある2着だった。前走のクロッカスSは逆に半マイル通過49.3秒で、レースの上がり3ハロンが33.6秒というスローペース。全く異なるペースに対応して崩れなかった対応力は高く評価したい。
〇ショウナンザナドゥはアルテミスS2番人気3着、阪神JF2番人気4着。アルテミスSは完全前残りペースの中で、中団やや後方から外をまわって追い上げ、逃げた2着馬にアタマ差まで迫り、逆に阪神JFはポジションを取りに行ったが半マイル通過が46.5秒のペースで苦しくなってしまった。それでも先行勢では最先着。その実績は評価したい。
▲マディソンガールは昨年11月の京都競馬場芝1800m新馬戦優勝馬。このときは外枠を引き当てたために前に壁が作れなかったにもかかわらず半マイル通過が50.8秒というスローペースをしっかりと折り合って先行。上がり33.0秒の末脚で2着馬を楽に交わした。まだキャリア1戦ゆえに全幅の信頼は置きづらいものの、先行力は魅力だ。
△エンブロイダリーは昨年11月の2歳1勝クラス芝1400m戦優勝馬。ややスタートに難があるものの長く良い脚を使えるのが武器。前走は最後2ハロン11.0秒、11.0秒のレースラップを楽に突き抜けた内容は高く評価できる。
ほかでは赤松賞の内容が良かった△マピュース、未勝利戦を勝ち上がったばかりとはいえ△スライビングロード。最後に新潟2歳S2着△コートアリシアンの名前を挙げておきたい。