目を疑いたくなるような状態のサワガニを発見し、持ち帰ってエサをあげてみた動画がYouTubeに投稿されました。動画は、2本合わせて44万回以上再生されています(記事執筆時点)。
動画を投稿したのは、生き物や自然の姿を発信しているYouTubeチャンネル「真釣ちゃんねる」。以前には、滝の流れる水槽にエビを導入した様子が「すごい」「夢がある」と話題になりました。
先日、ある山に“ガサガサ”に行ったところ、足が3本しかなく、両方のハサミもないサワガニを水路で捕獲。この状態で厳しい自然の中を生きていたことを驚きつつ、何か食べさせてあげたい、どんなふうにエサを食べるのか観察したいという思いから連れて帰ることにしました。
サワガニは、漢字で書くと「沢蟹」となる、沢(川の上流の方)で暮らしているカニです。雑食性で、野生では植物性の食べ物であるコケや、動物性の食べ物である生き物の死骸まで、さまざまな物を食べるのだとか。
|
|
サワガニの足は本来ハサミを含めて10本ですが、足やハサミを失ってしまっても脱皮をすれば少しずつ再生していくのだそうです。このサワガニも7本の足を失っている状態ではありますが、たくさん食べて脱皮をすれば足が再生するかもしれません。
サワガニについて話をしつつ、3本足のサワガニの性別をチェックしてみると、オスであることが分かりました。カニは、おなかのフンドシ部分が三角形になっているとオス、丸くなっているとメスなのだそうです。
また、サワガニの足はオス同士のケンカや、体の大きい個体が小さい個体を捕食しようとするときなどに取れてしまうことがあるのだとか。捕食者に襲われたときに自分で足を切り離して身を守る、自切をすることもあるのだそうです。
サワガニの状態や性別を確認した後は、エサを与えてみることに。まずは足がきちんと生えている、他のサワガニに冷凍アカムシを与えてみると……ハサミを上手に使ってアカムシを口元へ持っていき、食べる様子が観察できました。
続いて3本足のサワガニにアカムシを与えてみることにします。ハサミを使わなくても食べられるコケなどを食べていたのかな、と話しつつ、3本足のサワガニの口元にアカムシを持っていくと……口の横にある顎脚(がっきゃく)を使ってアカムシをくわえ、しっかりと完食してくれました。
|
|
その後も、3本足のサワガニの飼育を続けます。水草の切れ端や冷凍エビの切り身などをあげてみたところ、何でもしっかり食べてくれたそうです。
サワガニが入っているプラスチックケースには傷が多く、中を観察しづらいことから、新たなプラスチックケースにお引越ししてもらうことにします。プラスチックではカニの足が滑りやすいため、底には滑り止めとなる鉢底ネットとウールマットを敷き、石も設置しました。
引っ越しをしてから3時間ほど経過。少し落ち着いてきたところで以前水路にて捕獲し、冷凍保管していた特定外来生物の「カダヤシ」を丸ごと与えてみるようです。
最初は魚の切り身を与えようと思っていましたが、骨や内臓がある状態のほうが栄養満点だろうということで、カダヤシを丸ごとあげてみることにしたのだとか。
アカムシのときと同じように、口の近くまでカダヤシを持っていくと……サワガニはまたしても顎脚を上手に使い、頭から器用に食べ始めました。足が7本もなくても、器用かつ黙々とエサを食べる姿からはサワガニの強い生命力を感じます。
|
|
3本足のサワガニは黙々と食べ進め、1匹丸ごと完食してくれました。先ほどよりも大きなカダヤシをもう1匹与えてみましたが、頭くらいまで食べて満足したようです。
甲殻類にとって、脱皮は体を大きく成長させたり、失った体のパーツを再生させたりできるというメリットがある反面、とても体力を使う命がけの作業でもあるとのこと。最悪の場合は、脱皮中に命を落とすこともあるそうです。
3本足のサワガニが無事に脱皮できるように、また脱皮したときに欠損した足が再生するように、しっかり食べて栄養をたくさんとってもらいたいですね。
力強く生きる3本足のサワガニに、コメント欄には「これは目が離せない」「頑張って生きてほしいな」「正直、驚きました!」「生命のちからにめっちゃ励まされました」「アカムシ食べた瞬間、泣きました」「元気になってほしいです!」といった声が寄せられています。
3本足のサワガニを捕獲したときの様子やエサを食べる様子などは、YouTubeチャンネル「真釣ちゃんねる」で公開されていますよ。
動画提供:YouTubeチャンネル「真釣ちゃんねる」
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 ITmedia Inc. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。
オレンジページのサイト広告物議(写真:ITmedia NEWS)43
「災害をネタに宣伝」批判に声明(写真:ITmedia NEWS)51