
近所でよく見かけていた野良猫が、子猫4匹を連れて、X(ツイッター)ユーザー・鬼檸檬さん(@geratoni0718)宅の庭に現れるようになったのは、2020年7月のこと。
【写真】脱腸の手術を受けたミィちゃん…幸い順調に回復しました
その4匹は、茶白の男の子「きなこ」ちゃん、黒白ハチワレの男の子「ミィちゃん」、黒サビの女の子「黒蜜ちゃん」、そしてキジ白の「ごまちゃん」です。
少し前に先代猫を亡くしたばかりだった飼い主さんは、すぐに保護する決断ができなかったといいます。詳しいお話を伺いました。
偶然の出会いと保護への決断
猫たちが現れるようになって1カ月ほど経ったある日、ミィちゃんが脱腸し、血がにじんでいることに気づきました。
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飼い主さんは「このままでは死んでしまう」と思い、保護をしようとしましたが、近寄ると逃げてしまいます。そこで、玄関ドアを開けておやつで誘い、入ってくるのを待つことに。
すると、ほかの猫たちと一緒にミィちゃんも家に入って来ました。ところが、おやつやごはん、水に口をつけようとせず、じっとしたままだったそうです。
「玄関ドアを閉めて、ミィちゃんを捕まえ、動物病院へ連れていきました。すると、すぐに入院して治療を受けることに。幸い、順調に回復し、5日後には退院することができました」
飼い主さんは、ミィちゃん一家を迎え入れることを決意。母猫と4匹のきょうだい猫は、新たな猫生を歩み始めました。
悲しい別れを乗り越え、成長した子猫たち
保護当時、子猫たちの健康状態は良くありませんでした。飼い主さんは根気よくケアを続け、子猫たちは少しずつ健康を取り戻したといいます。
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そして、家での暮らしを始めた猫たち。慣れるまでは、時間がかかったといいます。
「トイレを覚えてもらうまでは、本当に大変でした。布団の上や台所のシンクで粗相をしてしまうので、片付けに追われる日々が続いたのです。また、人間の食べ物に手を付けてしまうので食事中は気が抜けなかったです。数カ月くらい経つと、ようやく落ち着いてきました」
飼い主さんに見守られながら、のびのびと過ごすようになった猫たち。子猫たちは、すくすくと成長していきました。一方、悲しい別れもあったといいます。
「母猫は、末期のリンパ腫であることがわかったのです。お迎えから2年後、虹の橋を渡りました」
きょうだい猫とともに悲しみを乗り越え、歩んできた飼い主さん。嵐のような日々を振り返って、こう語っています。
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「猫たちがいてくれること、それが本当にうれしかったです。救われたのは、むしろ私のほうだと思います」
きょうだい猫と飼い主さんの絆は、日を追うごとに深まっていきました。
今、飼い主さんが猫たちに伝えたいこと
きなこちゃん、ミィちゃん、黒蜜ちゃん、ごまちゃんは、現在4歳を迎えました。それぞれ個性を発揮しながら、元気いっぱいに過ごしています。
「きなこは、優しく面倒見がよいお兄ちゃん的な存在。新しいおもちゃがあると真っ先に飛びつきます。ミィちゃんは、臆病な甘えん坊。私に一番、懐いています。黒蜜は、気が強いやきもち焼き。撫でてもらうためにほかの子を押し退けることも。ごまはツンデレなグルメ猫です。撫でるとにらむけれど、止めると膝に乗ってきます。白身魚も天然ものしか食べません」
最後に、飼い主さんはこう語りました。
「きなこたちには、『我が家の愛猫になってくれて、我が家に慣れてくれてありがとう』と伝えたいです。これからも健康で長生きしてほしいです」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)