フェブラリーSに出走予定のサンライズジパング(撮影:高橋正和) 本記事ではnetkeibaオリジナルAIが推奨する本命候補3頭を特筆すべき過去の傾向とともにご紹介します。
今週の重賞競走は土曜日にダイヤモンドS(GIII)と阪急杯(GIII)、日曜日にフェブラリーステークス(GI)と小倉大賞典(GIII)が行われます。その中から東京競馬場で行われるフェブラリーSを取り上げます。まずは過去の傾向から。
過去10年のフェブラリーSでの前走人気別成績を見ていきます。過去10年のフェブラリーSでは前走で4番人気以内だった馬が9勝2着7回3着8回と良績を残しています。前走で高い支持を集めている馬は近況や実績に優れた点があり、勢いや能力のある馬と言えます。ハイレベルなメンバーが集まるGIですし、近況の好調度や能力の高さを担保する実績が重要と言えるかもしれません。
一方、前走で5番人気以下だった馬は1勝2着3回3着2回と苦戦しています。馬券に絡んだ6頭には東京のダート重賞で3着以内の実績がありました。前走で5番人気以下だったとしても、東京のダートコースに高い適性を示す実績がある馬については注意が必要になりそうです。
続いては、過去10年のフェブラリーSにおける所属別成績です。過去10年のフェブラリーSでは関西馬が6勝2着9回3着10回と良績を残しています。過去10年のフェブラリーSは関西馬が関東馬よりも圧倒的に出走頭数が多くなっていますし、ダートのオープンは関西馬の層が厚いためにこのような傾向になっていると考えられます。
一方、関東馬は4勝2着1回。馬券に絡んだのは23年レモンポップ、22年と21年カフェファラオ、18年と16年ノンコノユメの3頭。この3頭はフェブラリーSが行われる東京ダート1600mの重賞で連対した実績を有していました。レースレベルの高い重賞で連対しているのはコース適性の高い証拠と言えます。劣勢の関東馬ですが秀でたコース適性を証明する実績がある馬には注意したいところです。
それでは早速ですが、今週のフェブラリーSでAIから導き出された月曜日時点での本命候補3頭をご紹介します。
◆重賞での実績豊富な本命候補
ペイシャエス
本馬は過去10年のフェブラリーSで劣勢の関東所属ですが、3歳時に出走したユニコーンS(GIII)で勝利しておりコース適性は証明済み。また、本馬の父エスポワールシチーはフェブラリーSで優勝していますし、その父ゴールドアリュールの産駒は東京ダート1600mでの実績が豊富。これまでの実績や血統面からコース適性の高さに疑う余地はなさそうです。
2走前の武蔵野S(GIII)では4着に敗れていますが、これはハイペースを3番手から追走しての結果。先行した馬には厳しい流れとなりましたが、それでも直線では一旦先頭に立っていましたし見せ場は十分。前走のチャンピオンズC(GI)は終始馬群の中で揉まれる競馬となり8着に終わりましたが、勝ち馬からはそれほど離されていませんし悲観する内容ではなかったように思えます。現時点では除外対象ですが、実績のあるコースでの一戦ですし、先行力を活かせる展開になれば上位争いになっても不思議はなさそうです。
サンライズジパング
昨秋は重賞で2勝を挙げ、ジャパンダートクラシック(JpnI)でも3着に好走し飛躍を遂げた本馬。ここ2走は勝ち切れてはいませんが、2走前はハイレベルなチャンピオンズCでしたし、前走は楽な逃げを打った馬に残られての2着と敗因は明確。特に前走はそれほど速くない流れを外々から追走して連対していますし、負けはしたものの能力の高さは十分に見せていたと言えます。
本馬はスタートから行き脚がつきづらいタイプで、どちらかと言えば差し脚質ですので前走のように展開に左右されることもあります。ただ、今回は逃げや先行を得意とする馬が多く登録していますし、ペースが速くなれば差し脚が活きる可能性は十分にありそうです。
エンペラーワケア
新馬戦は芝に使われて5着に敗れていますが、それ以降は全てダートに出走し9戦7勝2着2回と連対率100%。昨年は根岸S(GIII)と武蔵野Sで勝利しており、東京コースへの適性も十分で不安はなさそうです。
その武蔵野Sでは直線で前が壁になり追い出しを待たされる場面はありましたが、スペースができると鞍上の仕掛けに瞬時の反応を見せてあっという間に先頭へ立ち優勝。2着馬とは1馬身差でしたが、その着差以上の内容でしたし秀でた能力があることを証明しています。今回はGIでさらに相手は強力になりますが、これまでのパフォーマンスから能力は通用するはずですし、ここでも好走するチャンスは十分にありそうです。