限定公開( 1 )
福岡県大野城市の自宅で生後7カ月の男児の胸などを圧迫して殺害したなどとして、殺人罪などに問われた母親(37)に対する裁判員裁判の初公判が19日、福岡地裁(富張真紀裁判長)であった。母親は「右手の拳で腹部を2回殴打した。おなかと背中がくっつくような強さで殴ったことは間違いない」と説明。弁護側は「衝動的で殺意はなかった」などとして殺人罪の成立を争う姿勢を示した。
福岡地裁は公判に先立って、母親や被害者の氏名などを秘匿して審理することを決めた。
起訴状によると、2022年5月14日、殺意を持って次男の胸や腹を圧迫し、肝破裂により死亡させたとされる。また、16年9月に当時の自宅などで生後4カ月の長男の両腕など5カ所にかみ付いて約2週間のけがをさせたとして、傷害罪にも問われた。
検察側は冒頭陳述で「育児ストレスなどから虐待に及んだ」と指摘。16年の事件後に長男が児童養護施設に入所した後、次男と三男が双子で生まれたことや、次男は事件の前にも胸など複数の箇所を骨折していたことを明らかにした。22年5月14日は母親が自ら119番して「次男が息をしていない」と通報したが、経緯を説明できなかったとした。
一方、弁護側は冒頭陳述で「何らかの暴行はしたが、殺意はなかった。(母親の)心臓マッサージなどが原因で肝破裂で死亡した可能性もある」とし、暴行によって死亡したとしても傷害致死罪にとどまるとした。
|
|
大野城市によると、母親は出産前から育児に困難が予測される「特定妊婦」として登録され、自治体の養育支援を受けていた。【志村一也】
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 THE MAINICHI NEWSPAPERS. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。
車が電柱衝突 運転手死因は病死(写真:TBS NEWS DIG)54
元暴力団組員の口座開設拒否 みずほ銀行への賠償請求棄却 水戸地裁(写真:毎日新聞)93