前十字じん帯損傷“多発”の要因は『試合数増加』以外にも? 名医が『スプリント回数』との関連性を指摘

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2025年02月20日 02:39  サッカーキング

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負傷交代を余儀なくされたリサンドロ・マルティネス [写真]=Getty Images
 近年のサッカー界で問題視される前十字じん帯(ACL)損傷多発の要因は、試合数の増加以外にも“とある傾向”が関連しているようだ。19日、イギリスメディア『BBC』が伝えている。

 プレミアリーグ第24節マンチェスター・ユナイテッドvsクリスタル・パレス(0−2)が今月2日に開催され、アルゼンチン代表DFリサンドロ・マルティネスはセンターバックの一角として先発出場。しかし、所属するマンチェスター・ユナイテッドが1点ビハインドで迎えた76分、自陣左サイドでスルーパスを処理しようとした際に左ひざを捻り、82分に負傷交代を余儀なくされた。試合後の検査により、同選手は左ひざ前十字じん帯を損傷したことが判明。プレミアリーグでは今シーズン10人目の前十字じん帯損傷者となり、これは2016−17シーズン(シーズン全体で12件)以来最多にして昨シーズンの9件を上回るペースとなっている。

 『BBC』は、これまで元スペイン代表のアンドレス・イニエスタ氏、シャビ・エルナンデス氏、フェルナンド・トーレス氏らを治療してきた経験を持つラモン・クガット医師の見解を掲載。クガット医師は前十字じん帯損傷多発の最も重要な要因として『試合数の増加』を指摘し「その結果、十分な回復ができないことが問題だ」と警鐘を鳴らした。なお、今シーズンに発生した10件の前十字じん帯損傷のうち7件が年明け以降のものであり、プレミアリーグは12月と1月が最も過密な日程であることから、蓄積疲労が負傷増加の大きな要因であることの裏付けとなっているようだ。

 一方、クガット医師によれば試合数だけではなく、プレースタイルの変化も大きな影響を与えているという。プレミアリーグの試合でのスプリント回数は過去5シーズンで増加しており、2020−21シーズンは『255回/1試合』だったものが今シーズンは『288回/1試合』に。同医師は「サッカーはますますアスリート化している」と述べつつ、「加速・減速・ジャンプ・接触プレーがシーズンごとに増えており、これがファンにとっては魅力的な試合を生む反面、選手にとってはケガのリスクを高めている」と分析した。

 また、他にも『スパイクの種類』『ピッチ(芝生)の状態』『選手のメンタルヘルス』が前十字じん帯損傷増加の原因と主張。「これらは一部の要因にすぎず、前十字じん帯損傷に関与するすべての要素はまだ解明されていない」と語っている。

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