米Appleが2月19日に発表した、廉価版iPhoneの最新モデル「iPhone 16e」。正式発表前から外見などが「iPhone 15」「iPhone 16」といったモデルに近づくとのうわさが広がっていたこともあり、各モデルとの性能差がどの程度になるか、関心が寄せられていた。正式発表によって詳細なスペックが判明したいま、15・16と16eを比較し、その差を改めて確認する。
●何が違う? 各モデルの基礎スペックをおさらい
まず、各モデルの基本的なスペックを整理しておく。iPhone 15のSoCは「A16 Bionic」で、アウトカメラは有効4800万画素のセンサーを搭載。超広角カメラも搭載しており、センサーは1200万画素。生体認証は顔認証の「Face ID」、防水性能はIP68。価格はストレージ128GBモデルが11万2800円から。価格.comによれば、中古価格は10万〜15万円程度だった(19日時点、以下同)。
iPhone 16は、SoCにA16 Bionicより処理速度が30%高速という「A18」を搭載。アウトカメラは有効4800万画素の広角と、1200万画素のマクロに対応した超広角のデュアル構成。生体認証や防水機能は15と同様だ。価格はストレージ128GBモデルが12万4800円から。価格.comでの中古価格は11万5000〜16万5000円程度だった。
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対するiPhone 16eは、iPhone 16と同様のA18チップを搭載。ただしGPUが5コアから4コアになっている。アウトカメラは有効4800万画素の単眼。生体認証や防水性能は16・15と同様で、16と同様のアクションボタンも備えるが、カメラの操作などで使う「カメラコントロール」は搭載しない。
廉価版の旧モデル「SE」シリーズは液晶ディスプレイと太いベゼル、ホームボタンを備えた仕様だったが、16eではディスプレイが刷新。OLEDディスプレイになり、ベゼルも細く、Touch ID搭載ホームボタンは消滅。生体認証はFace IDに代わった。
そのためディスプレイ上部にノッチが出現。16・15で採用されたパンチホール状の「Dynamic Island」よりもノッチの面積は大きくなっている。価格は128GBモデルが9万9800円から。
●AI機能への対応やカメラ性能に差
3モデルそれぞれに違いはあるが、特に目立つのはAI機能群「Apple Intelligence」のサポート状況だろう。3モデルの内、16と16eはAI機能群「Apple Intelligence」をサポートするが、15は上位機種の「Pro」「Pro MAX」でなければ非対応となる。
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Apple Intelligenceは、生成AIを活用した文章の制作・通知の要約機能や画像加工、対応の柔軟性を増した「Siri」などが利用できる。これまでApple Intelligenceは日本語対応していなかったが、4月上旬には利用可能になる予定が明らかになった。業務が便利になる可能性も高いので、ビジネスユースでもiPhoneをガンガン使うという人は考慮すべきだろう。
カメラ性能も違いが挙げられる。15と16は広角と超広角のデュアルカメラなのに対し、16Eは広角のみの単眼だ。背景をぼかして動画を撮影する「シネマティックモード」や動画用手ブレ補正機能「アクションモード」にも対応していない。
3モデルを見比べると、ざっくり「最先端モデルとして充実した機能・性能を持つ16」「カメラ性能は落ちるが、最新チップを載せており長く使えそうな16e」「16eに比べるとカメラ性能で勝る代わりにAI機能が使えないなど一長一短な15」という見方ができそうだ。「16eで万事解決」とはいかないが、いい比較対象にはなるだろう。
特に15は、16eの登場によって中古価格などが変わる可能性も考えられるので、より安価に手に入れやすい立ち位置になっていく可能性もある。もしかすると「15 Pro」の中古人気が高まる、なんて未来もありそうだ。
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