男性の買い物難民を救うポジションに、ワークマンが新生「Workman Colors」披露

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2025年02月20日 19:31  Fashionsnap.com

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 ワークマンが、2023年から展開するデザイン性を主軸にした業態「Workman Colors」の新製品発表会を開催した。同社は今年1月に作業服を扱わない女性客主体の業態「#ワークマン女子」の屋号を「Workman Colors」に改名し、男性の“快適普段着”の展開を本格化すると発表。発表会には土屋哲雄 専務取締役が登壇し、今後の展開について語った。

 Workman Colorsは、「#ワークマン女子イグジットメルサ銀座店」を改名リニューアルする形で、実験店として2023年9月に1号店をオープン。女子の看板を下ろしたことで男性の入店が増加し、売上が2割伸長したことを受け、家族で店舗を訪れることが多い地方のニーズにも応える形で従来の性別で商品を差別化する方針から、既存店と専売品を取り扱う店舗とで差別化を図る方向にシフトしたという。2025年11月末までに地方を中心に新規で40店舗を出店予定で、営業中の#ワークマン女子も順次Workman Colorsに改装。「Workman Colors」のタグが付いた製品はトレンドを意識して開発したもので、基本的にはWorkman Colorsの店頭で専売品として展開。これまでのメンズアイテムに多かった派手なアクティブウェアはワークマンなどの既存店に絞り、メンズのベーシックウェアを投下することでウィメンズとメンズを同比率で展開していく。土屋 専務取締役は「低価格帯ブランドは女性の需要に偏りがちだが、Workman Colorsでは男性向けの商品を増やすことで買い物難民を救うようなポジションを目指したい」とコメント。初動では商品比率をウィメンズ45%、メンズ42%、ユニセックス5%、キッズ8%で展開し、今後はキッズの割合を10%に引き上げていく予定だ。
 本格始動に際し、トレンド性を強調して売り場鮮度を保つために短納期で製品化できる生産体系を確立。既存アイテムの生産も依頼する中国上海の工場に委託し、マーケットリサーチの内容をすぐに反映できるようにしたという。土屋 専務取締役は「トレンドを外さずに短納期をするシステムについては、中国のシーインから学びました。シーインは7日で生産するそうですが、そこまでは短くできない。ただ、マーケットリサーチをなるべく早く反映するために2025年春夏で展開する新商品は1ヶ月で生産しました。今後はここまで短くしないかもしれませんが、それによって自信はつきました」と説明。トレンドを意識しつつ、ワークマンの“カラー”である機能性と低価格を尊守していくとし、生産拠点も拡大していく見込みだという。
 2025年春夏アイテムは、日本と韓国でのマーケットリサーチを実施し、ウィメンズとメンズ約20型、キッズ10型を揃えた。気軽にトレンドを取り入れられるデザインに仕上げつつ、ストレッチ性を高め、カジュアルシーン向けのコットンライクとフォーマルにも着用可能なウールライクの2素材で展開する「万能パンツ」(1500円)や、軽量素材、洗濯可能なフェイクレザーといった機能性素材も差し込むことで扱いやすさも意識したという。
 また、「ワークマンの製品は機能が多すぎて何を選べばいいのか分からない」という顧客の声を反映し、ホームページに新機能「機能の格付け」を実装。プログラミング言語のパイソン(Python)を用いて社員が作成したものに気象庁から提供を受けたデータを埋め込み、天候に応じて1〜5のグレードで製品を提案する。

 Workman Colorsのリニューアルを皮切りに既存ブランドの見直しも発表。「ここ5、6年、社内は#ワークマン女子一色でした。本当にどうなっていくか分からず、皆んなで一つのボールを追いかけているような状態だったため、他のブランドに割く人員が少なくあまり力を入れられなかった」と土屋 専務取締役。主軸の「ワークマン(WORKMAN)」と、一般顧客向けに展開する高機能ウェアの業態「ワークマンプラス(WORKMAN Plus)」では、「ペルチェベスト」や、独自技術で製作した断熱素材シリーズ「XShelter」の販売点数を増やし、2年ほどかけてブランディングを強め、「ワークマンカジュアル」として海外出店への準備も進めるという。

◾️ワークマン:公式サイト

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