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2024−25シーズンの欧州サッカー各国リーグは後半戦に入っている。チャンピオンズリーグも決勝トーナメントが始まるところだ。そこでレアル・マドリードやバルセロナのスペイン勢やドイツのバイエルンなど、ここから目が離せない人気クラブの最新主要フォーメーションを紹介する。
レアル・マドリード(スペイン)
【4−2−3−1】
FW:キリアン・エムバペ(エンドリッキ)
MF:ヴィニシウス・ジュニオール(アルダ・ギュレル)、ジュード・ベリンガム、ロドリゴ(ブラヒム・ディアス)
MF:オーレリアン・チュアメニ(エドゥアルド・カマビンガ)、フェデリコ・バルベルデ(ダニ・セバージョス)(ルカ・モドリッチ)
DF:フェルラン・メンディ(フラン・ガルシア)、アントニオ・リュディガー(ダビド・アラバ)、ラウール・アセンシオ、ルーカス・バスケス
GK:ティボー・クルトワ(アンドリー・ルニン)
シーズン開幕当初は、キリアン・エムバペの加入により昨季機能した攻撃陣のリズムが崩れたように見えたが、名将カルロ・アンチェロッティが試行錯誤の末に最適解を見出すと、12月から今季のラ・リーガで初の首位に立ち、その後バルセロナ、アトレティコ・マドリードと、優勝争いをしている。エムバペが本来の実力を発揮し始めていることも大きい。
ここにきて守備陣の負傷者が続出したものの、オーレリアン・チュアメニのセンターバック起用やフェデリコ・バルベルデも右サイドバックを務めるなど、本来は中盤の選手が最終ラインに回る、もはやお決まりの手法でうまく凌いでいる。
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一方、チャンピオンズリーグ(CL)では5勝3敗でリーグフェーズを終え、マンチェスター・シティとのプレーオフに回ったが、これを制して16強入り。得意のシーズン終盤に今季も勢いを見せそうだ。
バルセロナ(スペイン)
【4−2−3−1】
FW:ロベルト・レバンドフスキ(フェラン・トーレス)
MF:ラフィーニャ、ガビ(ダニ・オルモ)、ラミン・ヤマル(パウ・ビクトル)
MF:ペドリ(フェルミン・ロペス)、フレンキー・デ・ヨング(マルク・カサド)
DF:アレックス・バルデ(ジェラール・マルティン)、イニゴ・マルティネス(エリック・ガルシア)、パウ・クバルシ(ロナルド・アラウホ)、ジュール・クンデ(エクトル・フォルト)
GK:ヴォイチェフ・シュチェスニー(イニャキ・ペーニャ)
ハンジ・フリック新監督のもとラ・リーガで開幕7連勝を遂げ、今季の主役になるかと思われたが、11月から不振に陥り、7試合で1勝しか挙げられず首位から陥落。現在はレアル・マドリード、アトレティコ・マドリードと三つ巴の争いとなっている。
大勝がある一方、ホームですでに3敗しているように、ハイプレスを基調としたスタイルに安定感が伴っていない印象だ。
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かたやCLでは好調を維持し、リーグフェーズをリバプールに次ぐ2位で突破。ただし16強入りを決めた上位8チームのなかでは得点も失点も最大と、ここでもリスキーな手法を取っていることがわかる。
9月下旬に守護神マルク=アンドレ・テア・シュテーゲンが重傷を負って離脱すると、現役引退を表明していた元ポーランド代表GKヴォイチェフ・シュチェスニーを今季限りの契約で迎えた。そのほかに目立った負傷者はおらず、冬のマーケットでは静観した。
レアル・ソシエダ(スペイン)
【4−1−2−3】
FW:アンデル・バレネチェア(セルヒオ・ゴメス)、ミケル・オヤルサバル(オーリ・オスカールソン)、久保建英(シェラルド・ベッカー)
MF:パブロ・マリン(ジョン・アンデル・オラサガスティ)、ブライス・メンデス(ルカ・スチッチ)
MF:マルティン・スビメンディ(ベニャト・トゥリエンテス)
DF:ハビ・ロペス(アイエン・ムニョス)、ナイフ・アゲルド(ジョン・パチェコ)、イゴール・スベルディア(アリツ・エルストンド)、ホン・アランブル(ジョン・マルティン)
GK:アレックス・レミロ(ウナイ・マレロ)
ラ・リーガ第7節までに1勝しか挙げられず、一時は降格圏付近まで沈んだが、徐々に持ち直して前半戦を7位で終えた。ところが後半戦は今季初の3連敗で始まり、不安定な戦いが続いている。
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冬の市場では人気銘柄マルティン・スビメンディのビッグクラブへの移籍が囁かれていたが、大黒柱の慰留に成功し、胸を撫で下ろした。チームでこのスペイン代表MFの次に市場価値の高い久保建英は、攻撃の鍵を握っている。なにしろ今季の全公式戦でこの日本代表アタッカーが得点かアシストを記録した全7試合は、すべて勝利しているのだ。
チームの命運は久保の出来にかかっていると言っても過言ではない。
バイエルン(ドイツ)
【4−2−3−1】
FW:ハリー・ケイン
MF:キングスレイ・コマン(セルジュ・ニャブリ)、ジャマル・ムシアラ(トーマス・ミュラー)、マイケル・オリーセ(レロイ・サネ)
MF:アレクサンダル・パブロビッチ(ジョアン・パリーニャ)ヨシュア・キミッヒ(レオン・ゴレツカ)
DF:アルフォンソ・デイビス(ラファエル・ゲレイロ)(ヨシプ・スタニシッチ)、キム・ミンジェ(伊藤洋輝)、ダヨ・ウパメカノ(エリック・ダイアー)、コンラート・ライマー(サシャ・ボエ)
GK:マヌエル・ノイアー(ヨナス・ウルビヒ)
バンサン・コンパニ新監督を抜擢したフロントの賭けは、ここまで見事に成功している。昨季はプレミアリーグでバーンリーを降格させてしまったが、身体もハートも大きなベルギー人指揮官はやはりビッグクラブ向きだったようで、ブンデスリーガ第22節終了時点で、17勝4分1敗で首位を快走している。65得点19失点、得失点差46のすべてが、リーグ1だ。
冬のマーケットでは、GKのバックアッパー兼未来の守護神候補として、ヨナス・ウルビヒ(ケルン)を獲得した一方、攻撃陣の過剰要員となっていたマティス・テル(→トッテナム)をローンで放出する余裕も。
夏に加入した伊藤洋輝は負傷を繰り返していたが、セルティックとのCLプレーオフで、バイエルンでの初の公式戦のピッチを踏んだ。
レバークーゼン(ドイツ)
【3−4−2−1】
FW:パトリック・シック(ビクター・ボニフェイス)
MF:フロリアン・ビルツ(ヨナス・ホフマン)(アミン・アドリ)、ネイサン・テラ(エミリアーノ・ブエンディア)
MF:アレックス・グリマルド、ロベルト・アンドリッヒ(アレイクス・ガルシア)、グラニト・ジャカ(エセキエル・パラシオス)、ジェレミー・フリンポン(アルトゥール)
DF:エドモンド・タプソバ(ピエロ・インカピエ)、ヨナタン・ター(マリオ・エルモソ)、ノルディ・ムキエレ
GK:ルーカス・フラデツキー(マチェイ・コバール)
ブンデスリーガ史上初の無敗優勝を遂げた昨季とスカッドも戦い方もほぼ変わっていないが、相手の研究が進んだからか、今季は勢いにやや翳りが見えている。特に第10節までは4勝5分1敗と出遅れ、5位にまで順位を落とした。
だが賢明なシャビ・アロンソ監督は4バックや2トップを試しながらリズムを取り戻し、以降は9勝3分で2位に浮上。バイエルンを追い上げている。
冬のマーケットでは、重傷に見舞われたジャヌエル・ベロシアンとマルティン・テリエの代役に、マリオ・エルモソ(ローマ)とエミリアーノ・ブエンディア(アストン・ビラ)をピンポイントで補強。16強入りを決めたCLと準決勝に駒を進めたDFBポカールでも、期待できそうだ。
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