画像提供:マイナビニュース日産自動車がミニバン「セレナ」のe-POWER車(ハイブリッド車)に追加した電動駆動四輪制御システム「e-4ORCE」搭載モデルは売れているのか。2月初旬に北海道で開催されたセレナe-4ORCE試乗会で、詳しい販売状況を聞くことができた。ユーザーの反応やいかに?
セレナの販売状況と評価は?
セレナは1991年の初代モデル発売以降、国内累計販売台数が200万台を超えていて、今や日産の屋台骨となっている。現行モデル(6代目)は2022年11月の発表以来、累計販売台数が18.4万台に達しており、好調をキープし続けている。2024年1月〜12月の販売台数は8万899台で、前年比107%を達成。2024年(暦年)の販売ランキングでは「6人乗り以上のミニバン」で1位、登録車(普通車)全体でも7位にランクインした。
e-POWER車が搭載する発電用の1.4L 3気筒エンジンはノイズや振動が少なく、シリーズハイブリッドとしての制御方式も変更されていて、車両の状態や走行環境、さらにはナビに連動して作動タイミングをコントロールする世界初のエネルギーマネジメント技術を搭載している。実際に乗ってみると、BEV(電気自動車)に近い静かな走りを実現しているのがわかる。
ミニバン+第2世代e-POWER+プロパイロット2.0の組み合わせが評価され、2023年末にはRJC(日本自動車研究者・ジャーナリスト会議)と日本カー・オブ・ザ・イヤーの両方で「テクノロジーオブザイヤー賞」を獲得したセレナ。ガソリンモデルとe-POWERモデルの販売比率でいうと、後者の方が2倍以上売れているという事実が、セレナe-POWER車が高い評価を得ている証なのだ。
e-4ORCE搭載セレナの販売状況は?
e-4ORCEはe-POWERモデルのリアアクスルに駆動用モーターを搭載して電動4WD化しただけでなく、前後モーターと左右ブレーキをひとつのコンピューターで統合制御できているところが最大の特徴となる。ちなみに、同じ2モーター4WDには、2つのコンピューターで別々に制御する「e-POWER 4WD」という方式もある。
e-4ORCEを搭載した結果、セレナe-POWERは車内のスペースを犠牲にすることなく、さらに酔いにくい走りとゆとりある高速走行、雪道などあらゆる道で安心して走れる走破性能を獲得している。「家族との遠出を最大限楽しむためのミニバン」というセレナのコンセプトを、さらにブラッシュアップしているのだ。
2WDしかなかったセレナe-POWERに追加設定された待望のe-4ORCEモデルは、2024年10月3日の受注開始以来、2025年2月2日までの3カ月間で5,245台の受注を獲得している。これは同時期に受注したe-POWER車の半数に近い数だ。しかも、降雪地帯のみならず全国的に注文がきているというから、日産としては「ちょっと驚きに近い」という状況らしい。
原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。RJC(日本自動車研究者ジャーナリスト会議)会員。 この著者の記事一覧はこちら(原アキラ)