5年前や10年前……。少し前にインターネット上で話題になった投稿や動画を振り返って紹介する企画「昔のインターネット発掘!」。今回は2022年にYouTubeへ投稿された、色がどんどん変わっていくふしぎな水銀の実験動画を紹介します。
●水銀の色が次々変わっていくふしぎな実験
動画を投稿したのは、化学実験で人気を博すカナダの動画クリエイター・NileRedさんのサブチャンネル。今回は、銀色の水銀を、さまざまな色に変化させてみる実験を披露しました。
まずは、ビーカーに入れた透明の硝酸に、少量の水銀を注ぎます。するとすぐに反応が始まり、全体が黄色く変色し始めました。時間がたつにつれ液体の色はどんどん濃く暗くなっていき、最終的には暗褐色に。同時に、茶色のガスも発生します。
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約20分後、水銀は全て硝酸水銀に変換されました。その状態でビーカーをホットプレートで加熱すると、徐々に液体の色が抜けていき、1時間ほどで完全な透明に。
●硝酸水銀に“ヨウ化カリウム溶液”を加えると……?
水で希釈した硝酸水銀に、ヨウ化カリウム溶液を加えます。どちらも透明な液体ですが、瞬時に反応が起き鮮やかなオレンジ色の結晶が発生。これは硝酸水銀が水に溶けないヨウ化水銀に変化するためです。
かき混ぜて少し放置しておくとヨウ化水銀が沈殿してきたので、ろ過して乾燥させます。数日後、十分に乾燥したヨウ化水銀は固まり、砕いて粉末状にできました。
その粉末を使って、最後の実験に挑戦。シャーレに粉末を広げホットプレートで熱すると、ヨウ化水銀はオレンジから濃い赤色に。さらに加熱し続けると、今度は全体が黄色くなりました。
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しかしホットプレートをオフにすると、粉末が冷えて再び赤色に戻っていきます。このように温度に応じて物質の色が変化する現象を「サーモクロミズム」と言うのだそうです。れっきとした化学現象なのに、まるで魔法のように見える……!
●「信じられないほどでした」
動画には「これはすごい」「オレンジ色があまりに鮮やかで、信じられないほどでした」「無色の元素が組み合わさってカラフルな化合物になるのはクールだ」「水銀が透明になり水で希釈できるという事実は、魅力的で恐ろしくもある」「あなたが理科の先生だったら、もっと化学を好きになれたのに!」などの反応が集まっています。
NileRedさんのメインチャンネルおよびサブチャンネルでは、ほかにも興味深い実験の様子が数多く投稿されています。
画像はYouTubeチャンネル「NileRed 2」より引用
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