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2017年5月、キジ白の男の子「ごま」くんは、生後1週間ほどのとき、きょうだい猫と天井裏にいるところを発見されました。その後、X(ツイッター)ユーザー・もへいさん(@moheisan)のもとへ。ほかのきょうだいは、信頼できる里親さんのもとへ旅立ったといいます。詳しいお話を伺いました。
【写真】保護当時のごまくん…まだ目が開いていないほど小さい子猫だったそうです
突然、訪れた生後まもない子猫たちとの出会い
飼い主さんの父は、害虫防除の会社を営んでいます。そして、そこで働いている飼い主さんは、ある日、お客様から1本の電話を受けました。
「『天井から音がするのでみてほしい』と依頼がありました。父が出向いたところ、ネズミでも鳥でもハクビシンでもなく、猫がいたらしく……。母猫は逃げてしまって、生後まもない3匹の子猫を連れて帰ってきました」
愛らしい猫たちを目にした飼い主さんは「離乳すれば里親さんが見つかるだろう」と考え、子猫たちを家へ連れて帰ったのです。
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“子育て”に奮闘する日々
子猫たちは、キジ白、白猫、茶トラとそれぞれとても愛らしい子たちでした。まだ目が開いていないほど小さい子猫たちのお世話をすることになった飼い主さん。あわただしい日々が始まりました。
「猫用のミルクと哺乳瓶を買ってきたものの、まだ哺乳瓶の乳首を吸うことができませんでした。今、振り返るとシリンジなどを使えばよかったと思いますが、当時は思いつかず……。やむを得ず、私の手のひらにミルクを伝わせて飲ませました。そのためか、小さいころは、私の手のひらをチュッチュと吸いながら寝ることも。今も、甘えながら眠るときやごはんを食べる前などくつろいでいるとき、私の手を舐めることがあります」
授乳は、人間の赤ちゃんと同じく数時間おきに与えて、排泄をさせるためにおしりを刺激するなど、3匹ぶんの“育児”に励んだ飼い主さん。想像以上に大変だったと明かしています。
「ほぼ、眠る時間が無かったため“育児ノイローゼ”のようになった時期も(笑)。それでも、子猫たちはとてもかわいらしく、フローリングの床をよちよちと歩き始めたときは、本当に感動しました」
そうして、子猫たちはすくすくと成長。自分でオシッコをすることができるようになったとき、ごまちゃんは飼い主さんが迎えることに。とくに仲の良かった白猫と茶トラ猫は、ふたり一緒に飼い主さんとお付き合いのある知人が迎えてくれることになりました。
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このときの心境について、「正直、すごく寂しいけれど、このふたりは仲良しなので一緒に迎えてもらってうれしいです」と語っています。
「堂々としていてね」ごまくんへの思い
ごまくんは、現在7歳を迎えました。
一歩間違えば、命を落としていてもおかしくはないほど小さく弱々しかった子猫時代を乗り越えて、すくすくと成長。今では、立派なイケニャンになりました。
「堂々としているように見えますが、ちょっぴりビビりです。そのため、すぐ手が出たり、噛んだりしてきます(笑)。 見た目と雰囲気は、小さいトラのようですが、甘えたいときはそばに来て寝そべることも。高所に登って見下ろしてくるところもかわいいです」
小さな子猫を育てることは、容易ではありません。また、里親さんを探すことも簡単なことではないでしょう。そのどちらも成し遂げ、飼い主さんは、ごまくんに愛情を注ぎ、育ててきました。ごまくんとこれから歩む日々について、飼い主さんは次のように語っています。
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「これからもその堂々とした姿で、ずっと一緒に暮らしていってほしいなと思っています」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)