「もう乗ってくんな!」終電間際の満員電車で“客を押し出す男”…他の乗客の“怒りの一撃”で予想外の結末に

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2025年02月22日 16:01  日刊SPA!

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写真はイメージ
 混み合った電車内で「ドアが開いたのに、その場からまったく動かない人」に遭遇したことはないだろうか。ドア付近の角に寄りかかりたいがために、降りる客がいようと、乗ってくる客がいようと、ここはオレの場所だと言わんばかりの態度でどかずにいる迷惑客、いわゆる「どかないマン」に遭遇し、イラッとしたことのある人も多いだろう。
◆京王井の頭線の渋谷駅で遭遇した「どかないマン」

 このどかないマンは乗降の際に邪魔になるため、満員電車では特に迷惑になる存在だ。だが、始発駅においてはその迷惑ぶりに拍車をかける。

「夕方のラッシュ時とか終電が近くなると、渋谷の井の頭線はドアに寄りかかりたい人が、ドアの上を摑んで外に足を出して『これ以上乗れないアピール』をしてますよね。1本遅らせて座っていけばいいのにって思います」

 そう話してくれたのは渋谷で働く会社員女性の田中裕美(30代・仮名)さん。田中さんは今から5年ほど前に起きた、どかないマンとのトラブルに巻き込まれた話をしてくれた。

「会社の同僚と飲んで、帰る方面が一緒だった後輩の男の子と井の頭線に向かったんです。確かに混んではいましたが、23〜24時の井の頭線の渋谷駅はいつも混んでいるので、ちょっとギュウギュウだったんですが、みんな乗り込んでいました。私たちも少し空いているところを見つけて2人で乗ったんです」

◆ドア前に立っていた男性が手をグイッと…

 田中さんと後輩男性は乗る際に「すいません」と一声かけて背中を向けて乗り込んだのだが、乗ってすぐに電車の中からグイと押し出されてしまった。

「最初は、意外と混んでるからかなぁって思ったんですが、それでも電車が出る時間も迫っていたので、もう一度2人で乗ったんです。そしたらまたすぐに後ろから押し出されました。でも、他の人は押し出されることもなくて、私と後輩だけ押し出されるような感じだったんです。『あれ? 私たちだけ押し出されてる?』と思いながらも、終電間際だったこともあってもう一度乗り込みました」

 田中さんたち2人が乗り込んだ次の瞬間、ドア前に立っていた男性が田中さんたちの背中を後ろから力のこもった手で押し出したのだ。そう、そこに立っていたのは、深夜に現れた“どかないマン”だったのである。

「電車のほうを振り向くと、神経質そうなサラリーマン風の男性がものすごい勢いで睨んできて、『もう、乗ってくんなよ!』って大声で叫んできたんです。そしたら後輩がキレちゃって『女の人を押し出すなんて、お前、やっちゃアカンやろ! みんな我慢して乗ってんのに、何言ってんだ!』って怒鳴り返しました」

◆どかないマンに若者男性が“怒りの一撃”

 とっさに田中さんが間に入ってその場を取りなしたのだが、またしても乗ろうとすると、その男性は2人を押し出し『乗るなって言ってんだよ!』と大声で叫んだ。周囲は何事かと騒然となり、発車のベルが鳴り始めたところで、まさかのことが起きる。

「ベルが鳴り始めたら、後ろにいた男の子の1人が『お前が降りればいいだろ!』と言って、男性を蹴り出したんです。男性はものすごい勢いでホームに転がったんですが、その男の子たちが私たちに『お姉さんたち、早く乗りなよ』って。急いで乗り込んだと同時にドアが閉まりました。私たちを押し出した男性は大声で何かを叫んでいましたが、電車はそのまま発車しちゃいました」

◆誰もがイライラしていた模様…

 どうやら車内の客たちはみな、どかないマンに対してイライラを募らせており、堪忍袋の緒が切れた若者グループの一撃に心の中で拍手喝采だったというわけだ。

「発車した電車内で若者グループに『ありがとうございました』って伝えたら、『あいつ、さっきからずっと乗ろうとする人を押し出してたからムカついてたんですよ。ただのヤバい酔っ払いでしたね』って。そしたら、隣にいたサラリーマンも『大丈夫だった? あれは見てて腹立ったよ〜』と声をかけてくれて、ほかのお客さんたちもウンウンって頷いていました」

 満員電車は誰もが不快なものである。だが、それはその電車に乗る誰もが感じていること。ドアに寄りかかりたい気持ちはわかるが、乗ろうとする人を押し出すのは明らかにやってはいけないことだ。

 もちろん、大学生グループがやったことも褒められたことではない。だが、自分の利己的な行動が回り回ってしっぺ返しとなることがあると、肝に銘じておくべきだろう。

文/谷本ススム

【谷本ススム】
グルメ、カルチャー、ギャンブルまで、面白いと思ったらとことん突っ走って取材するフットワークの軽さが売り。業界紙、週刊誌を経て、気がつけば今に至る40代ライター

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