小倉大賞典に出走予定のエピファニー(撮影:下野雄規) 今週の日曜日は、小倉競馬場で小倉大賞典(GIII・芝1800m)が行われます。
過去10年の小倉大賞典は6番人気以下の馬が1勝2着6回3着6回と馬券に絡んでいます。10番人気以下の馬でも1勝2着2回3着5回となっており、複勝回収率は119%と高い数値となっています。
これは過去10年の小倉大賞典がハンデ戦であることや、非根幹距離の1800mであることが要因と言えそうです。能力が足りない馬でもハンデの恩恵で力差は縮まりますし、非根幹距離は主要な競走が行われる根幹距離とは求められる適性も違います。これらの点が人気薄でも結果を残せる大きな理由のひとつと言えるかもしれません。
また、前走の着順を見ても6着以下だった馬が5勝2着4回3着6回と変わり身を見せている点も見逃せません。前走での着順はその馬の評価を決める上で重要な要素にはなりますが、小倉大賞典においては前走の結果を信頼しすぎない方がいいのかもしれません。
ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。
【条件】
前走1.8秒以上の差で負けた馬(ただし、前走がGII以上だった馬は除く)
[0-0-0-8]複勝率0%
該当馬:エピファニー、セルバーグ、タマモブラックタイ
※特に言及のない限り、データは過去10年間を対象にしています。
上位人気が予想されるエピファニーが該当しました。
前走の着順をアテにしにくいということは先述した通りですが、前走の着差は必ずチェックしたいところ。過去10年の小倉大賞典では前走で1.8秒以上の差で負けた馬は19頭が出走し1勝3着2回。馬券に絡んだのは20年ジナンボー、17年のマルターズアポジーとクラリティスカイの3頭。この3頭は前走で小倉大賞典よりも格上のGII以上に出走しており、レース格やメンバーレベルが下がったことで巻き返すことができたと言えます。
しかし、該当馬に挙げたエピファニーの前走はGIIIのチャレンジCで2.4秒の差で負けています。レースでは不利を受けることもなくスムーズに立ち回っていたように見えましたが、直線では全く反応せずに大敗。レース後の陣営からは気持ちは切れてしまったというコメントも残っており、精神面に課題が残る結果となりました。
今回は実績を残す小倉が舞台となりますが、前走で大敗したショックから立ち直っているのか。また、精神面の課題を克服できているのかなどの不安要素を抱えています。過去の傾向も踏まえると人気ほどの信頼はしづらいですし、ここは思い切って本馬の評価を下げて予想は組み立てたいところです。
重賞レースの参考に、是非お役立てください。