『機動戦士ガンダム』セレクション上映会に登壇した(左から)庵野秀明、出渕裕、氷川竜介 (C)ORICON NewS inc. 庵野秀明氏、出渕裕氏、アニメ・特撮研究家の氷川竜介氏が22日、都内で行われたアニメ『ガンダム』シリーズ最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』の劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』の大ヒットを受けた「アニメ新世紀宣言」44周年記念 トークショー付き『機動戦士ガンダム』セレクション上映会に登壇した。
【写真】手にしたイラストを互いに見合う庵野秀明&出渕裕 『ジークアクス』は鶴巻和哉氏の作品だが、冒頭部分は庵野氏が脚本を担当した。『機動戦士ガンダム』の富野由悠季氏の独特なせりふ回しがアレンジされて登場する。庵野氏は冒頭以外について、あまり関わっていないそう。「脚本やら何やらが上がった時に赤入れて意見具申」と庵野氏が言うと、出渕氏は「あなたから赤入れられて出されたら…」と思わずツッコミが。ただ、庵野氏の意見が却下されることも多いそうで「この間も強く押したけどものの見事に散りました。いいと思うんだけどなぁ…」と笑わせた。
また、出渕氏は「前に庵野くんに『ジークアクス』をカラーでやると聞いた時に『自分で氏をやろうと思わなかったの?』と聞いた。そしたら『もう満足したからいい』と。その時は謎だったんですけど、本編を見てわかりました。『やりたいことはもうやったから』と」と笑う。庵野氏は「僕が手伝えることはやった。お手伝いなので」とする。庵野氏の作品をラッシュから見ることが多い氷川氏だが今回は鶴巻氏の作品ということもあり、完成してから見たそう。氷川氏は「いきなり何が始まったのか、と!僕は一生、庵野さんの作品の初手のびっくりを味わえないと思ったけど、やっと」とうれしそうに話しながら「『ジークアクス』の初見は三段活用なんです。まず第一段階に『聞いてないよ!』、第二段階で『どういうことなの?』で、第三段階で『どこまで行くの?』となりました」と振り返る。手伝った出渕氏も「ここまでとは思わなかった」と笑っていた。
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』は「エヴァンゲリオン」シリーズを手掛けるスタジオカラーとガンダムシリーズを手掛けるサンライズ共同制作による新たなガンダムシリーズで、日本テレビ系列にて放送を予定しており、今回の劇場版はテレビアニメ放送に先行して公開し、一部話数を劇場上映用に再構築したものになっている。
2021年公開の『シン・エヴァンゲリオン劇場版』をはじめとする『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズにて監督を務めた鶴巻和哉氏が本作の監督を務め、シリーズ構成は榎戸洋司氏、メカニカルデザインは山下いくと氏と豪華スタッフ陣が集結。主人公であるアマテ・ユズリハ(マチュ)の声は黒沢ともよが担当。そのほか、ニャアン役を石川由依、シュウジ・イトウ役を土屋神葉が務めている。
■『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』あらすじ
宇宙に浮かぶスペース・コロニーで平穏に暮らしていた女子高生アマテ・ユズリハは、戦争難民の少女ニャアンと出会ったことで、非合法なモビルスーツ決闘競技「クランバトル」に巻き込まれる。
エントリーネーム「マチュ」を名乗るアマテは、GQuuuuuuX(ジークアクス)を駆り、苛烈なバトルの日々に身を投じていく。
同じ頃、宇宙軍と警察の双方から追われていた正体不明のモビルスーツ《ガンダム》と、そのパイロットの少年シュウジが彼女の前に姿を現す。
そして、世界は新たな時代を迎えようとしていた。
■アニメ新世紀宣言
劇場版『機動戦士ガンダム』公開直前の1981年2月22日に、新宿駅東口のアルタ前広場で行われた公開イベント。会場では富野由悠季総監督らがあいさつしたほか、「私たちは、アニメによって拓かれる私たちの時代と、アニメ新世紀の幕開けをここに宣言する」とアニメに新しい時代が訪れたことを告げる宣言文が読み上げられた。
■「日本アニメ(ーター)見本市」
スタジオカラー・ドワンゴが贈る短編映像シリーズ。2014年11月から約1年にわたり、さまざまなディレクター陣による、オリジナル企画・スピンオフ企画・プロモーション映像・MusicPVなど、ジャンルを問わず愛と勢いで創りきる数々のオムニバスアニメーション作品を毎週1話ずつ公開した。