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今回は、年金を満額受給したら、住民税が増えてしまった人からの相談です。
Q:年金を満額受給したら、住民税は1.4倍に増えました。住民税を減らす方法は?
「66歳でフルタイム勤務しています(年収250万円程度)。おととしは、もらっている年金が110万円以下でしたので、昨年の住民税は10万円程度でしたが、65歳から年金が満額もらえるようになり、今年の住民税は14万円と昨年の1.4倍になりました。年金を満額もらうようになると、住民税はこんなに増えるのでしょうか? 住民税を減らす方法はないのでしょうか?」(匿名希望)A:公的年金の扶養親族申告書は提出されていますか? 職場で年末調整をしているのか、扶養控除、生命保険料控除、地震保険料控除などが漏れていないかを確認してみましょう
私たちが受け取る年金や給与から引かれる税金には、所得税と住民税があります。住民税は、都道府県や市町村に納める税金で、前年の所得に対してかかります。住民税は、最低税率が10%で、そのほかに均等割(基本的には5000円ですが自治体によって変わります)があります。最低税率が5%の所得税と比べると、負担が大きく感じるのではないでしょうか。
相談者は年収250万円を得ているとのこと。この給与収入に対しては給与所得控除額が差し引かれ、年金収入に対しては公的年金等控除額が差し引かれ、これらの金額(所得)をもとに、住民税は計算されます。年金額が増えたのであれば住民税が上がる可能性はあります。
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職場では年末調整はしていますか? 配偶者やその他親族の扶養控除、生命保険料控除、地震保険料控除等が漏れていないか、源泉徴収票を確認してみましょう。
さらに日本年金機構から『公的年金等の受給者の扶養親族等申告書』というハガキが、9月から11月ごろに送られてくると思います。扶養親族がいる場合は、このハガキを返信しないと扶養控除が適用されません。特に65歳以降は、公的年金等控除も増額されます。このハガキを提出することで、公的年金等控除額110万円が確実に控除され、税金が下がる可能性があります。
また、医療費控除などがあれば還付申告をすることで、申告年の翌年度の住民税が減額される可能性があります。
文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)
銀行員、税理士事務所勤務などを経て自営業に。晩婚で結婚・出産・育児した経験から、日々安心して暮らすためのお金の知識の重要性を実感し、メディア等で情報発信を行うほか、年金相談にも随時応じている。
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