人間に捨てられ、傷だらけだったアロワナを保護して2年後…… とんでもない変化を遂げた姿に「正に波瀾万丈」

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2025年02月23日 20:03  ねとらぼ

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捕獲直後のアロワナです

 2年ほど前に荒川の温排水で保護された、ボロボロだったアロワナのビフォーアフターがYouTubeに投稿されました。動画は記事執筆時点で6万7000回以上再生され、1200件を超える高評価を獲得しています。


【画像】2年後の姿


 動画を投稿したのは、YouTubeチャンネル「あらかわちゃんねる」。珍しい生き物や深海魚を見つけるため海へ潜ったり、外来種を捕獲したりとさまざまな活動をしています。


 以前は関東地方の山奥にて、とんでもないものを発見した様子が話題となりました。今回は2年ほど前に傷だらけの状態で保護し、とある施設に届けた大型の熱帯魚・アロワナの様子を確認しに行くようです。


●外来種・コクチバスの話


 今から2年ほど前、あらかわさんは荒川の温排水で傷だらけになっていたアロワナの一種、シルバーアロワナを保護しました。シルバーアロワナは南米のアマゾン川に生息するアロワナで、その体長は最大1メートルほどになるそうです。


 このアロワナは幸運なことに、生き物系YouTuberかつ深谷爬虫類館(埼玉県深谷市)の館長である鰐さんに引き取られていきました。今回の動画であらかわさんは、鰐さんと川で魚を捕まえた後、爬虫類館で暮らしているアロワナに会いに行くようです。


 あらかわさんが投げた投網には、コクチバスというバスの一種が入っていました。この日捕獲した中で最も大きなコクチバスは体長40センチほどといいサイズで、さらに卵を抱えているのか、おなかはパンパンに膨らんでいました。


 オオクチバスと合わせて通称“ブラックバス”と呼ばれるコクチバスは、釣り人による放流が原因で分布を急激に広げていて、全国規模で深刻な問題となっているそうです。体が大きいうえに肉食であるバスは在来魚を手当たり次第に食べてしまうため、生態系に悪い影響を及ぼしているのだとか。


●2年前に保護したアロワナに会いに行く


 そんな話をしているうちに場面は変わり、あらかわさんと鰐さんは捕獲したコクチバス(以下、バス)を持って深谷爬虫類館(以下、爬虫類館)にやってきました。まず捕獲したバスのおなかの中を確認してみると、丸飲みにされた在来種のオイカワが出てきました。やはりバスは少なからず、日本の生態系に影響を与えているようです。


 おなかの中を確認した後は、バスをさばいて細く切っていきます。鰐さんによると、爬虫類館ではワニや大型のトカゲも飼育されていますが、このサイズのバスを丸ごと、そのままエサとして利用できる生き物はいないそうです。


 外来種のエサ利用については菌や寄生虫の問題があり、さらに味の問題か生き物たちの食いつきもいまいちであることが多く、実態としては難しいものがあるそうです。ブラックバスと呼ばれる魚の場合は背びれに鋭いトゲがあるため、これを切らないと生き物たちにケガをさせてしまう可能性もあるのだとか。


 さばき終わったバスは、爬虫類館で暮らす生き物たちにあげていくことに。まずワニにあげてみると、勢いよく食いつく姿を見せてくれました。バスは原産地の北アメリカでは食用の白身魚として利用されていることを考えると、ワニ的にも「おいしい」と感じている可能性はありそうです。


 次は大型のトカゲ、サルバトールモニター(ミズオオトカゲ)に、バスの切り身をあげてみることに。原産地である東南アジアではコイやナマズなどを食べているそうで、ものすごい勢いで丸飲みにする様子を見せてくれました。


●いよいよ、アロワナと再会


 そしていよいよ、あらかわさんが2年前に保護したアロワナがいる水槽にやってきました。人間に捨てられ、温排水まで流され、投網で捕獲されるという最悪の三段階を経ることになってしまったアロワナですが……衛生的で暖かく、しっかりエサを食べられる環境のおかげで見違えるほどキレイになっていました。


 早速バスの切り身をあげてみましたが、同じ水槽に泳いでいるピラルクや他のアロワナに全部食べられてしまいました。その後投網に引っかかってきたという小型のアユもあげてみましたが、こちらもピラルクたちに食べられてしまったのでした。


 鰐さんによると、このアロワナは控えめな性格であり、エサをあげても他の魚たちに先を越されてしまうことが多いそうです。しかし他の魚たちが満腹になった後に、しっかりエサを食べているとのこと。


 鰐さんの飼育技術と飼育環境のおかげで大きく育ち、古傷もキレイさっぱり完治。傷だらけの状態で保護された個体とは思えないほど、立派になったアロワナなのでした。


●「この世で最も幸福なアロワナのうちの1匹なんじゃないか」の声


 動画には「最初の飼育者ガチャが最悪で捨てられてしまい、病気にもなるが、最後には大逆転で最高の飼育者のもとへ。正に波瀾万丈のアロワナさんですね。今は、この世で最も幸福なアロワナのうちの1匹なんじゃないか、などと考えました」「あのボロボロだった温排水アロワナくんが、大きくなってきれいになってました。鰐さんありがとう!」「デカい水槽だなぁ、アロワナとか買うならちゃんと考えて飼育しなければとあたらめて思いますね」といった、たくさんのコメントが寄せられていました。


 あらかわさんはYouTubeチャンネル「あらかわちゃんねる」のほか、X(Twitter/@ turisaitama)アカウントも運営中。用水路やドブ川で外来種を捕獲したり、新種の深海魚を探したりする様子などを公開しています。


画像提供:YouTubeチャンネル「あらかわちゃんねる」



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