今季ここまではヘーレンフェーンを指揮していたファン・ペルシ氏 [写真]=Icon Sport via Getty Images フェイエノールトは23日、トップチームの新監督に元オランダ代表FWロビン・ファン・ペルシ氏が就任することを発表した。契約期間は2027年夏までと伝えられている。
昨年夏にアルネ・スロット監督がリヴァプールへ引き抜かれたことを受けて、フェイエノールトは後任として、母国デンマークでの指導経験が豊富なブライアン・プリスケ監督を招へい。2027年6月30日までとなる契約を締結し、今シーズンをスタートさせた。エールディヴィジでは開幕9試合無敗と悪くないスタートを切ったものの、引き分けの数も少なくはなく、第21節終了時点での成績は11勝6分け4敗の5位となっていた。
このような状況を受けて、フェイエノールトは今月10日にプリスケ監督の解任を決断。以降の公式戦ではU−21チームのパスカル・ボスハールト監督が暫定指揮官を務めていたが、このタイミングで“クラブレジェンド”のファン・ペルシ監督に再建を託すこととなった。
なお、ボスハールト氏はU−21チームで以前までの役割を再開させることになるという。また、ファン・ペルシ新監督を支えるアシスタントコーチには、ルネ・ヘイク氏を迎え入れており、同様に2027年夏までの契約を結んでいる。
古巣を率いることが決まったファン・ペルシ氏は、クラブを通して次のように喜びの声を明かしている。
「誇らしく、光栄に思うよ。僕とフェイエノールトの絆がどれほど特別なものかは、誰もが知っているはずだ。強力なスタッフとともに、このクラブで選手たちとともに働くこと、『デ・カイプ』で再び試合を戦うこと、ともに成功を収めることを非常に楽しみにしている」
現在41歳のファン・ペルシ監督は現役時代、フェイエノールトのアカデミーで育ち、同クラブでプロデビューを飾った。2004年夏に完全移籍加入したアーセナルでは、8シーズンを過ごして公式戦通算278試合出場132ゴール55アシストを記録。その後加入したマンチェスター・ユナイテッドでも、約3年間の在籍で公式戦通算105試合出場58ゴール15アシストと結果を残し、2012−13シーズンにはプレミアリーグ制覇も経験した。フェネルバフチェを経て、2018年冬には古巣のフェイエノールトへ帰還し、2019年夏に現役を引退。フェイエノールトのトップチームでは公式戦通算122試合出場46ゴール16アシストを記録し、2001−02シーズンにはUEFAカップ(現:ヨーロッパリーグ)優勝も成し遂げた。
現役引退には、古巣のフェイエノールトでコーチングキャリアをスタート。トップチームのテクニカルコーチやアカデミーの監督を歴任し、昨年夏まではU−18チームの指揮官を務めていた。今季開幕前にはヘーレンフェーンの指揮官の座に着くことが決まり、自身初となるトップチームの指揮官に就任。ここまでエールディヴィジでは、7勝6分10敗の勝ち点「27」で9位につけていた。
フェイエノールトの現在の成績は12勝7分4敗の勝ち点「43」で暫定3位。首位を走るアヤックスには、1試合未消化ながら勝ち点差「11」をつけられており、2シーズンぶりの優勝は厳しい状況に立たされている。一方で、チャンピオンズリーグ(CL)ではリーグフェーズを19位で終えると、決勝トーナメントプレーオフではミランを2戦合計2−1で破り、ラウンド16へ進出。3月上旬に予定されている同ステージでは、インテルとの対戦が決まっている。
果たして、ファン・ペルシ新監督は、日本代表FW上田綺世も所属する現在のトップチームで、どのようなフットボールを見せてくれるだろうか。