講演するイリナ・ホンチャロヴァさん=24日午後、仙台市青葉区 ロシアによるウクライナ侵攻から3年となった24日、仙台市内の教会では戦火で犠牲となった人々への追悼の祈りがささげられた。母と共に宮城県内に避難しているイリナ・ホンチャロヴァさん(65)が教会内で講演し、「私たちの願いはウクライナの平和と帰国だ」と故郷への思いを語った。
仙台市青葉区のカトリック元寺小路教会では午後1時半から「追悼の祈り」が開かれ、集まった約30人がろうそくに火をともして静かに祈りをささげた。
北部チェルニヒウ州出身のホンチャロヴァさんは2022年4月、長男夫婦が暮らす同県石巻市に母リディアさん(89)と避難した。
講演では、母国について映像などで紹介。「戦争の前は美しく平和な国だった」と語る一方、侵攻後は激しい空襲でマンション地下室に避難したことなどを振り返った。
近隣住民らから支援を受け、石巻市について「第二のふるさとになった」と話したホンチャロヴァさん。ただ、「全てのウクライナ人の夢は、平和で美しいウクライナで暮らすこと。この夢がかなうように」との願いも打ち明けた。
講演を聴いた仙台市青葉区の会社員鈴木真理子さん(57)は「どんな理由があっても戦争は絶対にだめだと強く心に残った」と話した。