「ダートで活躍」の予想を覆したエンドスウィープの血 影響はダイヤモンドSを制したヘデントールにも

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2025年02月25日 08:00  netkeiba

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エンドスウィープの血を持つ芝重賞勝ち馬ヘデントール(撮影:下野雄規)
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬

【エンドスウィープ】
 父は名種牡馬フォーティナイナー、母は米G1を勝ったブルームダンス、母の父ダンススペルは悲劇の名牝ゴーフォーワンド(通算13戦10勝、米最優秀2歳牝馬、同3歳牝馬)の4分の3兄、という良血。

 競走成績はダート7ハロンのGIIIを勝った程度でしたが、フロリダ州で種牡馬入りすると大成功を収め、初年度産駒が2歳戦で33頭勝ち上がるという北米新記録を樹立しました。

 6年目の種付けシーズンから日本へ移籍。ダート向きだろう、という大方の予想を覆し、アドマイヤムーン、ラインクラフト、スイープトウショウといった芝向きの大物を出しました。残念ながら日本では3世代しか残すことができず、11歳の若さで死亡しました。

 マル外として日本で走ったサウスヴィグラスは、JBCスプリントなどダート短距離路線で活躍し、種牡馬としても傑出した成績を残しました。スウェプトオーヴァーボード、プリサイスエンドも似たようなタイプです。

 ジャパンC、ドバイデューティーフリー、宝塚記念などを勝ったアドマイヤムーンは、母の父サンデーサイレンスの影響で芝向きの種牡馬に。ただ、距離適性はこの系統らしくスピード方向に寄り、ファインニードル、セイウンコウセイ、ハクサンムーンといった優れた芝スプリンターを出しました。

 グローリーヴェイズ、ヘデントール、ノースブリッジなど、母方にエンドスウィープを持つJRAの重賞勝ち馬は10頭以上を数えます。アメリカの若手注目種牡馬ノットディスタイムとその半兄リアムズマップも母の父がエンドスウィープ系です。

◆血統に関する疑問にズバリ回答!

「長距離戦で狙って妙味のある種牡馬は?」

 2015年以降、芝2500m以上で50走以上し、連対率20%以上、単勝回収率100%以上を記録している種牡馬は、ドゥラメンテとジャスタウェイの2頭しかいません。

 ジャスタウェイ産駒は芝2500m以上の重賞で連対した経験はありませんが、ドゥラメンテ産駒はタイトルホルダーとドゥレッツァが菊花賞を制覇するなど大舞台でも結果を残しています。

 ちなみに、ドゥラメンテの母アドマイヤグルーヴと、ジャスタウェイの父ハーツクライは、いずれも「サンデーサイレンス×トニービン」という組み合わせ。血統構成の半分がよく似ています。

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