ロッテ・中村奨吾[撮影=岩下雄太] 「ずっとセカンドをやらせてもらってきて、そこでいろんな気づき、いろんな経験をさせてもらったので、そこでまたもう1回勝負できるようにと思って。去年1年でセカンドがやりたいという思いが強くなりました。そういうことも含めて、監督にお願いして今やらせてもらっているところです」。
ロッテの中村奨吾は今季、慣れ親しんだセカンドのポジションでレギュラー奪取を目指している。
中村はレギュラーに定着した18年にセカンドで自身初めてゴールデン・グラブ賞を獲得すると、21年、23年にも同賞を受賞。昨季はサードにコンバートされたが、今季から再びセカンドに挑戦する。
セカンドは昨季ショートからコンバートしたキャプテン・藤岡裕大をはじめ、ショートとセカンドの両方を高いレベルで守れ小技を武器にする小川龍成、現役ドラフトで中日から加入した石垣雅海、ドラフト2位の宮崎竜成(ヤマハ)ここまで練習試合・オープン戦ではセカンドの守備に1度もついていないが池田来翔、茶谷健太などもいる。
ライバルが非常に多いポジションではあるが、サードにコンバートされる前の23年にもセカンドでゴールデン・グラブ賞を受賞しており、守備力の高さは証明済み。
競争を勝ち抜くためには、どれだけ打てるかが重要になってくる。昨季のオフは“下半身の使い方”をテーマに自主トレを行ってきたが、今オフも「ずっと一緒ですね。下半身をしっかり使って、力が伝わるようにやっています」とブレずに下半身の使い方をテーマに打撃練習を積んできた。
「毎年同じになるんですけど、左中間、右中間に強い打球を打てるようにと思ってやっています」と石垣島春季キャンプでも連日、全体練習後に居残りでバットを振った。
ちなみに昨季終盤から白木のバットで打っているが、「白木で打ってみようかなというだけで別に理由はないですね」とのことだ。
「ここ近年は成績が出ていないので、そうですね。全部試合に出ながら、成績を残せるように。キャリアハイを狙うような数字を残していけるようにやっていきたいと思います」と意気込む。
23年が打率.220、24年が打率.234だったが、無死二塁の場面で進塁打で走者を進めたり、送りバントをきっちりと決めたりと、状況に応じた打撃、数字に表れない貢献度も多くあった。
「チームが求めていることをやっていくのも大事です」としながらも、「やっぱり打って成績を出していくことが一番だと思うので、そういうところを大事にしながら結果を出せるようにやっていきたいと思っています」と“結果”にこだわっていくつもりだ。
セカンドのライバルは多いが、「自分のやるべきことをしっかりやっていかないと勝負はできないと思うので、人どうこうというよりは、自分の中でやるべきことをしっかりやっていきたい」と矢印をあくまで自分に向ける。23日の韓国・ハンファとの練習試合で安打を放ち、24日の巨人とのオープン戦ではマルチ安打を達成した。志願して戻ったセカンドのポジションで、もう1度レギュラーを奪い取って見せる。
取材・文=岩下雄太