わずかに肌寒さを感じる早春に咲き始める「野に咲く花」がタンポポだ。タンポポというと、冬以外の季節にいつでも咲いているイメージがあるが、それはセイヨウタンポポであり、ニホンタンポポは春から夏にかけてと開花時期が短い。
いずれにせよ、日本の原風景に組み込まれている花の1つであるが、そんな郷愁を誘うようなカラーキートップセット「蒲公英」(タンポポ)を、PFUが「HHKB Professional」シリーズ向けに販売開始した。
これは、日本の魅力を世界へ伝える「HHKBカラーキートッププロジェクト」第3弾となるアイテム(第1弾は「桜」、第2弾は「山葵」)だ。2月25日に販売開始で、英語配列/日本語配列ともに刻印ありモデル/刻印なしモデルを用意し、3000台限定となっている。そのうち2250台が国内向けとなっており、海外では米国/欧州/中国での販売となる。国内向けの台数内訳と価格は、下表を参考にしてほしい。
今回は、そこまでやって来ているであろう春に思いをはせながら、実際にキートップを換装してみたい。
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●春の明るい日差しも感じさせる「淡黄色」
届いたパッケージは、いつもと同じ、何の変哲もない段ボール製である。しかし、素っ気ない分、期待が高まる。
まずは、刻印なしタイプから開封していこう。
次は刻印ありタイプだ。以前の桜キートップセットが、桜の花蕊(かずい)を思わせる赤色だっただけに、いろいろと想像してしまう。とはいえ、リアルなタンポポの中心近くのオレンジイエローでは、見づらそうだが果たして……。
刻印ありモデルの刻印は、HHKB Professionalシリーズの墨モデルや白モデルのものと異なり、雪モデル同様、キートップの中央部分に配置されている。HHKBの最新モデルである「HHKB Studio」の墨モデルと雪モデルもそうだが、この配置はスタイリッシュだと感じる。
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キートップ中央部は、最も摩耗する箇所である。指をそこに乗せてタイピングするからだ。刻印されている文字が消えてしまうのではないか、と心配になるが、HHKBシリーズのキートップの刻印はインクを乗せるのではなく、樹脂に染み込ませるサブリメーション印刷を採用しているので、一般的な使い方をしていれば文字が消えてなくなるということはないだろう。
では、早速、手持ちの「HHKB Professional HYBRID Type-S 雪モデル 日本語配列」に換装してみよう。
●刻印なしタイプの換装時に注意したいこと
まずは、刻印ありのものから換装し、どれだけキーボードの雰囲気が変わるかを見てみよう。
取り扱い説明書にあるように、キートップを垂直方向へ引き抜き、垂直に力を入れるということを意識すれば、難なく換装作業を行える。じゃんじゃんいこう。
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換装後の雪モデルは、すっかり春の装いだ。日が長くなり、とはいえ真昼でも高くなりすぎない日差しを思わせる。枠が真っ白なので、解けていない雪の間からたくさんのタンポポが顔をのぞかせているような想像すらしてしまう。
せっかくなので刻印なしタイプにチェンジしていこう。
刻印なしタイプのキートップへ換装するときの注意点は、「勢いをつけすぎて跳ねさせないこと」だと個人的には思っている。箱を開けるとき、キートップを戻すときや取り出すときなど、元気よく大きな動きをしてしまうと、箱からキートップが飛び出して、一瞬でどのキートップがどこに配置するものだか判別不能になってしまう。
取り扱い説明書に、格段のキーの高さが記載されているが、1つずつ測るという気の遠くなるような時間を費やすより、所作をていねいにする方が、総合的に見て時短につながるだろう。
刻印ありタイプでも、「これはどちらだったっけか?」と判別しづらいことがある。サイズが同じ左右の「Fn」キーと同じく左右の「Alt」キーがそれにあたる。見分け方としては、刻印が中央より右に寄っているものは右Fn/Altキー、左に寄っているものは左Fn/Altキーだと覚えておくと良いだろう。
●替えたいところだけ替えられる楽しみ
ここまで全キートップを換装してみたが、キートップセットを買ったからといって、全てのキートップを使い切る必要はない。好みの部分だけ替えれば良いのだ。
例えば、「早く仕事を上がりたいなぁ」と思う日であれば、「E」「A」「R」「L」「Y」のキートップのみ換装して、上司や職場の人にこっそりとアピールできる。
他にも、自分の持ち物であるという自己主張をするのも良さそうだ。
その他、刻印なしタイプを購入して、徐々に刻印なしに慣れていくというやり方もあるだろう。まずは文字キーのみ、そこから特殊キーへと刻印なしの領土を広げていけば、いつかは刻印なしキーボードのオーナーになれるかもしれない。
過去のカラーキートップセットと組み合わせれば、もっと楽しそうだ。
キートップを換装して本物のタンポポが咲くのを待ちたい
PFUでは、「今後も順次カラーキートップセットを販売」としており、第4弾は2025年秋を予定している。次はどんな日本の風景を見せてくれるのか楽しみに待ちたい。
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