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あらゆるギャンブルに精通し、どんな場面でも貪欲に勝ちを狙う男・じゃい。馬券でマンションを買ったという芸能界屈指のギャンブラーが、人生を勝ち抜く極意を教えます。
【今週のお悩み・第146回】穴&逃げ馬ってどう予想したらいいのでしょう。うまく馬券に反映したいのですが......。もともと大逃げ馬にロマンを感じてしまうタイプなんです。ただ馬券の成績はてんでダメです。いつか大きいのをとりたいです。(40代・男性・会社員)
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今週はフェブラリーステークスでした。まあ大方の予想通り堅かったですね。本命のミッキーファイトはなんとか3着に来てくれました。まだ成長途上なので、今後飛躍出来ると思いますので見守ります。
一応、推奨馬4頭のうち2頭が馬券内。今年の公約的にはクリアしてますが、馬券が当たらないと意味ありませんからねぇ。エンペラーワケアはやはり内枠が響きましたかね。距離もあったかな。コスタノヴァはキング騎手が上手く乗りました。女性騎手のGI制覇は快挙ですね。
そして小倉大賞典は本命のショウナンアデイブが2着、推奨馬のロングランが1着でしたが、なんと寝てしまって買えなかった。雪の影響で前日発売がなかったのが災いした。沢山の人に迷惑もかけてしまった。もう一生寝ません。
それでは質問へ。
馬には脚質があって、逃げ、先行、好位、差し、追い込み、自在と馬によって特性があります。これって不思議に思うんだけど、騎手によってある程度の選択は出来ると思うんですよ。
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もちろん、スタートの得意な馬、苦手な馬によっても違うんでしょうけど、どの脚質が合っているのかってどの段階で分かるのだろう? 産まれてすぐなんて分からないだろうし、調教を積んでる時にある程度分かるのかな? 新馬戦の時にはある程度固まっているのかな?
中には、元々差し馬だったのが逃げて勝ったとか、元々逃げ馬だったのが追い込んで勝ったなんて例もある。新境地を求めて脚質を変えるなんてこともありますよね。
「今回は控える競馬を試してみる」なんてコメントもちょいちょい聞きます。適性で言えば、抜け出すとソラを使う(集中力が続かない)馬はおそらく逃げは向いてないだろうし、揉まれ弱い馬は差しよりは追い込みの方が良いのでしょう。
いきなりギアを上げられる馬は前に行けるけど、エンジンの掛かりが遅い馬はやはり差しになるでしょう。そう考えると、単純にスピード、スタミナだけじゃなく、その馬の特性はかなり細かくあります。性格や気性も含めたら競走馬はキャラクターの宝庫ですね。
逃げ馬についてですが、昔のダビスタがそうだったように、強いなら逃げ馬の方がいいと思います。前に行ければ不利もないでしょうし、後ろの馬より速く走れれば永遠に抜かれる心配はありません。しかし、これで逃げ切るには相当の実力差が必要です。
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先日のサウジカップではフォーエバーヤングが勝利しました。2着にはロマンティックウォリアー。確かにこの2頭は抜けていましたが、この1.2着はおそらく展開1つで変わることがあったと思います。それくらい展開や乗り方は重要になるということです。
そして、トラックバイアスというのがあります。開幕週の高速馬場だと前が止まらなくなる可能性が高くなり、差しが届かないという現象が起こります。
逆に芝が傷んだ状態だと、前が止まり、差しが届きやすくなります。中京競馬場はスパイラルカーブなので、差しにくくなります。コーナーでトップスピードを出すと遠心力で膨れることになるので、仕掛けが遅れます。東京競馬場とは違う結果になるのです。フェブラリーSとチャンピオンズCの適性が違う理由の1つがこの理由です。
他では、並びもありますね。仮に18頭立てで逃げ馬が多い場合、差し馬が多い場合で展開、ペースは変わります。枠順も大事なファクターになります。これが必ず馬券的中のヒントになります。
基本的に成績がオッズに反映されがちですが、馬柱では見えない部分で予想すると穴馬を見つけることが出来ます。
もちろん、それをしたからといって必ず的中するわけではありません。
レースは生ものだし、何が起こるかは分かりません。
今週も割と自信のあるレースの1つで本命馬が出遅れました。スタートが苦手だった馬なら分かりますが、そうではない馬が急に出遅れました。これは予想の範疇を超える出来事でした。
こんなことが競馬ではしょっちゅう起こります。
こないだの佐賀競馬では軸にした馬が落馬しました。こういう場合は諦めるしかありません。しかし、1レース単位で一喜一憂していたらおそらく勝つのは困難です。ハズレても我慢して、スタイルを崩さない方が勝てると思っています。
大逃げ馬にロマンを感じるとのことですが、ロマンを感じるのは素敵なことですが、リアルも忘れてはいけません。
いつか大きな馬券が取れることを心よりお祈りしています。
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じゃい
1972年生まれ、神奈川県出身。97年にお笑いトリオ「インスタントジョンソン」を結成し、ネタ作りを担当。芸能界随一のギャンブラーとして知られ、過去には9370万円の馬券を的中させたことも。『稼ぐメンタル ギャンブルで勝ち続ける「ブレない」心の作り方』(KADOKAWA)など著書も多数。
構成・撮影/キンマサタカ