近年は赤字が続いているマンチェスター・ユナイテッド [写真]=Getty Images マンチェスター・ユナイテッドは24日、財務状況の改善策として150名から200名の従業員解雇を検討していることを発表した。
ルベン・アモリム監督就任後も成績が上向かず、現在プレミアリーグで15位に低迷しているマンチェスター・ユナイテッド。ピッチ外でも苦戦が続いており、『BBC』や『スカイスポーツ』が報じたところによると、2019年以降は5年連続で赤字を計上しており、直近3年間の損失額は3億ポンド(約568億円)以上にも上るという。
こうした状況を打破するべく、共同オーナーを務めるジム・ラトクリフ氏はコスト削減策に着手し、昨年には合計250名に及ぶスタッフを解雇。また、ホームゲームのチケット価格を一律66ポンド(約1万2500円)まで引き上げ、子供と65歳以上を対象とした割引も廃止にも踏み切った。
今回の発表によると、黒字への転換とより強固な財務基盤の構築を目的とした措置の一環として、クラブは従業員との協議プロセスを経て約150名から200名の人員削減に踏み切る可能性があるという。また、『BBC』や『スカイスポーツ』は本拠地『オールド・トラッフォード』へ提供されていたスタッフへの無料ランチも廃止される見込みと報じている。
人員削減のプロセスには約3カ月から4カ月程度の時間を要する模様。『BBC』によると、昨年6月末時点でのマンチェスター・ユナイテッドの従業員数は1140人であり、昨年の250名に加えて200名が今後解雇された場合には、クラブは従業員数の約39パーセントを削減したことになるという。
マンチェスター・ユナイテッドのオマール・ベラダCEO(最高経営責任者)はクラブ公式サイトを通じて、次のような声明を発表している。
「我々は男子、女子、アカデミーのチーム全体を勝利に向けて最も強い立場に置く責任がある。クラブは変革と刷新のための幅広い一連の措置を開始している。残念ながら、これはさらなる人員削減の可能性を発表することを意味しており、影響を受けるであろう同僚たちのことを非常に残念に思う。しかし、クラブを再び安定した財務基盤に戻すためにはこうした厳しい措置が必要だ」
「過去5年連続で赤字を計上しており、このままではいけない。クラブとして2つの主な優先事項は、ファンのためにピッチ上で成功を届けること、そして施設を改善することだ。継続的に赤字を計上している状況では、これらの目標に対する投資を行うことはできない。このプロセスが終了すれば、よりスリムで機敏かつ財務的に持続可能なクラブが誕生し、貴重な商業的パートナーに世界クラスのサービスを提供し続けることができる。欧州サッカー連盟(UEFA)とプレミアリーグの規定に準拠しながら、サッカーの成功と施設の改善のために投資できることになるだろう」