記者団の取材に応じる日本製鉄の今井正社長=25日午後、東京都中央区の鉄鋼会館 日本製鉄の今井正社長は25日、USスチールに関する米政府との協議について「基本的なスタートは現在の(完全買収による)合併契約になると思う」と述べ、計画通り買収を目指す考えを示した。トランプ米大統領との会談日程に関しては「現時点で何も決まっていない」と明らかにした。東京都内で記者団の取材に応じた。
日本製鉄によるUSスチール買収計画を巡っては、トランプ大統領が7日の日米首脳会談後の記者会見で「(日鉄が)所有ではなく、大きな投資をすることで合意した」と発言。その後、「過半出資することはない」とも述べ、少額出資であれば反対しない姿勢を示している。
こうした発言に関し、今井氏は「出資すればこそ大きな投資判断もできる。そういった意味で日鉄とUSスチールは合併契約に至っている」と指摘。その上で「トランプ大統領に(現在の買収計画を)了承してもらうため、どういったことができるか米国政府と話をする段階に今はある」と強調した。交渉窓口は「ラトニック商務長官になると思う」とし、「これから、協議に入ろうとしているところだ」と説明した。