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そもそもオンラインカジノとは何か、どのような罰則があるのか、弁護士である筆者が解説します。
賭博とは
賭博とは、勝敗が偶然の事情によって決まることに関して、財物や財産上の利益の得喪を争う行為とされています。偶然で勝敗が左右されるものについては、多少なりとも偶然の要素があれば、これに該当すると判断されます。例を挙げれば、その人の能力が関係し偶然の要素が少ない将棋や囲碁といったものでも該当します。
財物や財産上の利益の得喪を争う行為とは、何かを賭けたことで、利益を得た者や損した者が発生する行為を指します。
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なお、この「一時の娯楽に供する物」とはその場で消費できる食べ物や飲み物など少額のものが当たります。
オンラインカジノとは
近年問題になっている「オンラインカジノ」は、スマートフォンやパソコンなどの通信機器を通じてオンライン上でゲームを行い、その結果に対して現金や暗号資産、電子マネーなどを賭けるものです。多くのオンラインカジノでは、ポイントを購入し、そのポイントを賭けて、勝敗を決め、勝った分を換金できるようになっています。当然、オンラインカジノも偶然で勝敗が左右され、得喪を争う行為ですので、賭博行為に当たります。
また、事業者によっては海外にサーバーを設置しているケースもありますが、日本国内からこのオンラインカジノにアクセスする行為を踏まえて“日本の法律”が適用されます。
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実は私たちのすぐそばにある
「オンラインカジノ」という名称で誤解されやすいのですが、一般的にカジノで想像するカードやスロットなどのゲームだけでなく、パズルゲームや格闘技、スポーツなどの勝敗を予想するものもあります。近年、このオンラインカジノに勧誘する文言も巧妙になっており、「初回無料」といった文言で勧誘し、サイト上で「日本の法律は適用されない」「海外では合法」といった文言でユーザーを安心させて賭博行為を促すケースが散見されます。また、オンラインカジノへとつながるネット広告もとても多いのが現状です。
さらに筆者が「オンラインカジノ」で検索したところ、容易にオンラインカジノサイトにアクセスできました。このように日常生活のすぐそばに、容易に賭博行為をすることができる環境にあると言えるでしょう。
しかし、賭博行為を日本国内で行っていれば、日本の刑法が適用されますからこのようなサイトを利用することは犯罪に当たります。どのような文言があったとしても賭博行為は違法です。甘い文言にだまされず、換金行為がないか一度確認するようにしましょう。
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鬼沢 健士プロフィール
慶應義塾大学卒業。平成24年、茨城県取手市「じょうばん法律事務所」を開設。主に労働者側の労働事件(不当解雇など)やインターネット詐欺被害救済(サクラサイト、支援金詐欺など)を取り扱う。All About 暮らしの法律ガイト。(文:鬼沢 健士(弁護士))