2025年F1プレシーズンテスト 角田裕毅(レーシングブルズ) プレシーズンテストでは、各チームが走らせることができるマシンは1日1台と決められている。そのため、テストの各セッションでは2人いるドライバーのどちらかしかマシンに乗ることができない。
どちらのドライバーが最初のセッションに乗るかというスケジュールはチーム事情によって異なるため一概には言えないが、レーシングブルズの場合、前身のアルファタウリ時代には2021年から2年間はピエール・ガスリーが担当していたように、信頼度が高いドライバーがステアリングを握る傾向が強い。自由にテストしていた時代はドライバーが乗る順番はそれほど大切ではなかったが、テストが制限され、さらにここ最近は3日間しか許されていないため、ドライバーのスケジュールは無視できない。
そんな中、角田がテストの最初のセッションでステアリングを握るようになったのは、ガスリーがチームを去った後の2023年から。昨年は開幕時のチームメイトが優勝経験があるダニエル・リカルドだったにもかかわらず、2年連続でテストのオープニングセッションを任されていた。
そして今年、チームメイトはルーキーのアイザック・ハジャル。角田は2月18日にイギリス・ロンドンで開催された合同新車発表会である「F1 75 Live」の翌日にイタリアのイモラ・サーキットで行われたレーシングブルズの2025年型マシン『VCARB 02』のシェイクダウンでも初走行を担当していた。
2月26日にバーレーンで開始されたプレシーズンテストの午前中に、今年5年目のシーズンとなる角田が、白を基調にした『VCARB 02』に乗ってコースイン。F1参戦90戦、決勝レースに87回出走経験を持つ角田は、落ち着いた走りで、最初のセッションで、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)と並んで最多周回数を走り込んだ。
走行を終えた角田裕毅は、「多くのデータを収集でき、満足いく初日となりました」と語った。
「今日は主に、マシンの特性と挙動を理解することに重点を置いて走っていたんですが、マシンの動きはほぼ予測どおりで、それはポジティブなことです」
「もちろん、まだ確認すべき点はいくつかありますが、それがプレシーズンテストの醍醐味。それよりも、今日はまず大きな問題がなかったことがポジティブ。オフシーズンに素晴らしい仕事をしてくれたチームのみんなに感謝します。残る2日間も楽しみにしています」
78周を走破して、自己ベスト1分31秒610は午前セッションでは4番手。しかも、午前トップのアントネッリとの差は、わずか0.182秒だった。
昨年の初日午前中の角田は、トップから1.588秒遅れだったことを考えると、今年はデビューシーズンだった2021年以来(注:2021年バーレーン・プレシーズンテストでは初日9番手、3日目最終日には2番手)の幸先のいいテストのスタートを切ったと言っていいだろう。