衆院予算委員会で質問する立憲民主党の本庄知史氏=26日午後、国会内 与党は26日、立憲民主、国民民主両党と2025年度予算案や税制改正関連法案の修正に向けた個別協議を続けた。日本維新の会が予算案賛成を表明し、与党には「ひと山越えた」(自民党の森山裕幹事長)と安堵(あんど)感が広がるが、立民、国民民主両党は修正要求が置き去りの現状に不満を強めている。予算案の衆院採決に向けた駆け引きは大詰めを迎えている。
「目の前の予算案を通したい一心で、中途半端な合意を結んだのではないか」。26日の衆院予算委員会で、立民の本庄知史氏は高校授業料無償化などに関する自民、公明、維新3党の合意文書は財源を示していないと問題視。石破茂首相にこう迫った。
予算案は維新の賛成で成立する見通しとなり、立民内には焦りが見え隠れする。予算委では、修正案に盛り込んだ政策を順に取り上げ首相を追及。立民幹部は「維新と合意して済ませようと思ったら大間違いだ」とけん制する。
これに対し、自民幹部は「立民は予算案に賛成しない。回答にも限界がある」と突き放す。実際、立民の黒岩宇洋氏が予算委で公立小中学校の給食無償化を求めたが、首相は「まず小学校から始め、中学校は諸条件が整えばやる」と答弁。維新との合意以上に踏み込むことはなかった。
与党と立民の隔たりは26日の政調会長会談でも埋まらなかった。立民の重徳和彦氏は会談後、「予算案の審議日程にも影響が出る」と反発したものの、自民幹部は「見せ場がないから審議を引き延ばしたいのだろう」と冷ややかだ。
与党は26日、国民民主とも「年収103万円の壁」見直しなどに関する税制調査会長協議に臨んだが、物別れに終わった。国民民主の古川元久税調会長は「予算が通るからいいという発想なら国民から厳しい判断を受けるだろう」と自民の対応を批判した。
ただ、少数与党下で、自公にとって法案ごとに野党の賛成を必要とする状況は変わらない。企業・団体献金の在り方に関し、首相は3月末までに結論を出すとしているが、立民、維新が禁止を唱える一方、国民民主は両党と距離を置く。公明幹部は「維新一本足は危ない」と述べ、他の野党を引き寄せておく必要性を指摘する。
衆院採決をにらみ、立民は引き続き予算案の修正を迫る方針で、野田佳彦代表は26日、「ここからが戦いの本番だ」と周辺に漏らした。
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会談に臨む自民、公明、立民各党の政調会長ら=26日午後、国会内