バイクのクイズ 第39回 あまりに斬新で「東京タワー」とあだ名を付けられたオートバイとは?

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2025年02月27日 08:40  マイナビニュース

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● この400ccのオートバイは斬新なデザインから「東京タワー」と呼ばれました。さて、何というモデルでしょうか?


ヒント:デザインしたのは「GSX1100S Katana」を手掛けた有名なデザイナーです



スズキの「カタナ」と言えばバイクのデザインに大きな影響を与えた名車ですが、このモデルもその有名デザイナーが手掛けた1台です。



――正解は次のページで!● ○問題をおさらい!


正解はこちら!


○【答え】「GSX400X Impulse(インパルス)」


正解はスズキの「GSX400X Impulse(インパルス)」でした!



「GSX400X Impulse」はスズキが1986年に発売したオンロードスポーツです。「インパルス」の名を冠するモデルとしては2代目になります。ヘッドライトステーの色と形状から、バイク乗りの間では「東京タワー」と呼ばれました。この斬新なデザインを手掛けたのは名車「GSX1100S Kanana」でもおなじみのハンス・ムート氏でした。



カタログに記載されたデザインテーマは“日本の若者のライフスタイル”で、具体的には「六本木」をイメージしたそうです。ただ、これが六本木と言われてもピンとこない人が多いのではないでしょうか? 確かに当時はディスコ通いの若者で賑わった地区ですが、そこから望むことができたお隣の「東京タワー」や、同じ港区に数多く残る神社の「鳥居」などもモチーフになったのだと思われます。



良くも悪くもデザインが注目された2代目インパルスですが、実はオートバイとしての中身は超一級品でした。搭載するエンジンはフルモデルチェンジ直後の最新鋭レーサーレプリカ「GSX-R(400)」の4気筒で、シリンダーヘッドは水冷、シリンダーは空冷、内部は油冷という3種の冷却方式を用いたスズキの最新技術「SATCS」(Suzuki Advanced Three-way Cooling System)を採用していました。

当然ながら、パワーは自主規制値上限の59馬力を余裕で発揮します。ブレーキやサスペンションも、最先端の機構を惜しみなく投入していました。フレームはスチール製ではあるものの、アルミの「GSX-R」よりわずか1kg増の153kgという超軽量に仕上げ、ライバルメーカーのネイキッドどころか旧型のレプリカを圧倒するスペックを誇っていました。



しかし、これほどのハイスペックにもかかわらず、あまりにも奇抜なデザインが敬遠されたのか「GSX400X」は販売に苦戦します。東京タワー風のライトステーを排してスズキ社内でデザインしたハーフカウルを装備し、落ち着いたカラーリングに塗り替えた「GSX400XS Impulse」も追加しますが、当時はレーサーレプリカ全盛だったため人気が出ることはなく、3年後には「バンディット400」にバトンタッチして生産終了となりました。その後、インパルスは1994年に3代目、2004年には4代目が登場しますが、前衛的だった2代目とは打って変わり、古典的なネイキッド・デザインに落ち着いています。


スズキ伝統のブランド「インパルス」の中では異端児扱いされた「東京タワー」こと2代目は、街中ではなかなか見かけることのない珍しいバイクでしたが、実は筆者の知人が乗っていました。『なぜこのバイクを買ったのか?』と聞いてみると、『中免で乗れるバイクの中で一番、カッコよかったから』だそうです。『1980年代のブームに流されて免許を取得しただけで、バイクはあまり詳しくない』という彼は美大卒のデザイナーでしたので、わかる人にはわかるデザインだったのかもしれません。



それでは、次回をお楽しみに!



津原リョウ 二輪・四輪、IT、家電などの商品企画や広告・デザイン全般に従事するクリエイター。エンジンOHからON/OFFサーキット走行、長距離キャンプツーリングまでバイク遊びは一通り経験し、1950年代のBMWから最新スポーツまで数多く試乗。印象的だったバイクは「MVアグスタ F4」と「Kawasaki KX500」。 この著者の記事一覧はこちら(津原リョウ)

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  • インパルスと言う割とバイク乗りなら有名なネタで何を??となってしまう記事やなあ。
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