日産の本社硬式野球部が16年ぶりに再始動! 目指すは都市対抗野球本戦出場

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2025年02月27日 08:40  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
2009年に休部していた日産自動車本社硬式野球部(以下、日産野球部)が活動を再開した。16年ぶりに復活する社会人野球チームの名門はどのように1年目を戦うのか。都市対抗野球の本戦出場を目指すチームの体制発表会を取材してきた。


日産野球部への思いと実力を兼ね備えた選手が集結



16年ぶりの名門復活とあって、大きな注目を集めた体制発表会。登壇した監督の伊藤祐樹さんは、「日産野球部の復活をすごく嬉しく思う半面、監督を拝命した際にはどのようにスタートして、どんなチームに仕上げていくのかも含めて、かなりプレッシャーを感じていました」と振り返る。


活動を再開した新生野球部の面々を見ると、キャプテンの石毛大地選手を除く21名が大卒選手というフレッシュなメンバー構成となっている。



選手の採用にあたっては、日産野球部で野球がやりたいという思いを重視したという。伊藤監督は「面接などを通じて思いを聞きながら、実力と日産野球部への思いを兼ね備えた期待できる選手たちが集まってくれたと思っています。今は不安な気持ちはひとつもありません」と胸を張る。


日産野球部が目標に掲げるのは都市対抗野球の本戦出場だ。そのためには、神奈川が所属する西関東予選を勝ち抜かなければならない。2024年王者の三菱重工Eastは主催者推薦として今年の予選は免除されるが、それでもエネオスや東芝といった強力なライバルがそろう予選で出場枠2枠は狭き門といえる。



伊藤監督も力の差は否めないとしつつ、「相手にもやりづらいところはあると思う」と分析。「練習の精度を全員がどこまで高めていけるかが今後のカギ。相手の小さな穴を突破口とできるように、しっかりと準備をして挑んでいきます」と覚悟を語った。

強豪ひしめく西関東予選を勝ち上がれば、ダークホースとは言えない存在になる。晴れて都市対抗野球の本戦へと駒を進めた際には、「補強選手にも手伝ってもらって、『なんか勝っちゃった』と言えるように頑張りたい。可能性は無限大です」と伊藤監督はユーモアたっぷりに話していた。

日産野球部が日産復活のシンボルに?



体制発表の席でも、日産の現状に関する話題は何度か上がった。本業の業績が振るわないなか野球部を復活させる余裕があるのか。心配の声が上がるのも当然といえば当然だ。



田川博之GMも、「特にこの半年間、日産を取り巻く情勢は非常に厳しいものになってまいりました。それを受けて、『日産野球部はどうなるんだ』『本当に復活するのか』といった不安や心配の声が私たちだけではなく選手の耳にも届いています」と明かす。


その一方で、より多く聞こえてくるのが、「日産野球部をぜひ復活させて欲しい」「復活を楽しみにしている」という熱い声援だという。



「そうした温かい声に背中を押されて、私たちはここまで来たと思っています。私たち日産野球部にできることは、野球というスポーツに真摯に向き合って頑張っていくこと。それしかないと思います。かつての日産野球部のように、応援していただける社員や地域の皆さまに、野球を通じて希望の力を届けていきたい」と田川さんは語る。



伊藤監督も、「先日、内田誠社長が日産自動車の自力復活を宣言されました。日産野球部はそのシンボルとなるべく、しっかりと地に足をつけて邁進していく所存です」と思いを吐露した。


まもなく幕を開ける若きブルーバードたちの戦い。本業の逆風も吹き飛ばすグラウンドでの大暴れを期待したい。



安藤康之 あんどうやすゆき フリーライター/フォトグラファー。編集プロダクション、出版社勤務を経て2018年よりフリーでの活動を開始。クルマやバイク、競馬やグルメなどジャンルを問わず活動中。 この著者の記事一覧はこちら(安藤康之)

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